国土交通省中部運輸局は11日、福井県内のタクシー運賃の改定を公示した。規定の割合を超える事業者から要請を受け、審査していた。実質的に値上げとなり、事業者は増収分を運転者の労働条件の改善などにつなげる。運賃改定は消費税増税分の上乗せを除けば1996年8月以来21年ぶり。10月11日から県内全域で実施される。

 改定では現行の「中型車」と「小型車」の車両区分を「普通車」に統合する。その上で普通車の自動認可運賃(上限)を、初乗り運賃は1・2キロまで580円、加算運賃は265メートルごとに90円とする。現行の初乗り運賃は中型車が1・5キロまで660円、小型車が1・5キロまで650円で、加算運賃は中型車が236メートルごとに80円、小型車が268メートルごとに80円となっている。

 中部運輸局が示した目安では、JR福井駅から一乗谷朝倉氏遺跡まで乗った場合の運賃は現行の中型車が3940円、小型車が3530円で、改定後の普通車は4千円となる。一方で初乗りの距離短縮、運賃引き下げにより、近距離利用者にとっては割高感が解消される。

 改定の申請は運転者の労働条件の改善などを理由に、昨年10月5日から今年1月4日までに、県内の法人46社(全車両数869両)から出された。法人タクシー事業者の70%以上の車両数が対象となる申請があった場合に審査となり、今回は96・77%に上った。

 中部運輸局によると、改定によるタクシー事業者の増収率は平均で11・18%。同局は県タクシー協会に対し、改定後も運送収入に対する運転者人件費の割合を維持して適切に労働条件の改善措置を講じることや、後日に改善状況を公表するよう指導するとしている。

 県タクシー協会の勝木巡専務理事は「21年ぶりの改定が認められてよかった。値上げによる増収分は運転者の賃金アップのほか、安全対策の強化に生かしたい。待遇改善によりドライバーの人手不足解消にもつながれば」と話した。

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