◆鯖江の女性活躍のはしり?

 私は栗山祐子と申します。先日の全国OCサミットin鯖江で副実行委員長を務めました。

 そもそも「OC」とは何か? 少し後でご紹介します。

「全国OCサミットin鯖江」の様子

 福井県鯖江市の東部にある片上地区で生まれ、そこから5分ほどの中河地区に嫁いだ根っからの鯖江市民です。二十代のころ5年間だけ県外へ出ていましたが、今で言う「Uターン組」特別な思いもなく、結婚で帰ってきたようなもの。現在60歳を越えましたが、子どもの頃も大人になってからも、地域の中で育てられ、住民の強いつながりの中で生きてきました。私にとっては当たり前の日常で、特に息苦しさを感じたことはなかったです。

 そんな中で、私が“地域”を強く意識し、住民自治について考えるようになったきっかけ、それは、昭和63年から19年間、地区公民館の主事として働いたことでした。また、当時公共事業を民間の能力や資金によって行おうとする「民活」の動きが盛んで、公民館の女子職員を本庁に戻し、代わりに地域住民から臨時雇用するというシステムが試験施行されたのです。最低賃金で日給月給の厳しい待遇でしたが、地域住民と共に事業を進めることの楽しさで、夢中で取り組んだことを思い出します。

 その後、様々な問題はありましたがその実績が認められ、待遇改善とともに全地域10地区の地区公民館主事は、すべて社会教育専門員として民間市民が行うことになったのです。今から考えると画期的なことであり、専門員の9割が女性であったことを思うと、鯖江における女性活躍の“はしり”であったのではないかと思います。

◆昨年のOCサミットの開催経緯は?

 昨年、鯖江市OC課というグループを立ち上げられた代表の吉村さんから、「元気なものづくりのまち鯖江、そこで働く元気な女性たち」にスポットを当てて、全国の皆さんに鯖江に来てもらうような事業をやりたいんだけど・・・・」という相談を受けました。

 その時私は、男女共同参画の拠点施設「夢みらい館・さばえ」の管理運営を市から委託された、「夢みらいWe」という女性グループの代表となっていました。

 夢みらい館・さばえは女性の活動を支援する大きな目的を持っているので、何か支援できないか協議し、結果、理事が実行委員として共に企画段階から参画してみようということになりました。鯖江市行政も、女性活躍のモデルとして“JK課とOC課”をアピールしていましたので市民と行政の協働事業として予算が付き、一人の女性の夢が急に現実味を帯びたのでした。

 その後、事業の目的や概要を行政と何度も協議し、その趣旨に賛同して共に参画してくれる仲間“実行委員”を募集しました。事業の名前を「全国OCサミットin鯖江」と決定した時、市民から大きな反応があり、理解を求めることの大変さを実感しました。

 地域で長年活動を続けてこられた女性団体の多くが、「OC」の意味が分からない。「OC課」が何をしようとしているのか等々、複雑な感情が漂いましたが、一人一人ていねいに説明するとともに、実行委員の中で「OC」という概念を徹底して話し合い、次のように決めました。

 【OCとは、OBACHAN(おばちゃん)のこと。地域を愛し、隣人にやさしく、自分の子どものように地域の子どもを見守る、ちょっと優しいおせっかいもする女性。そして、そんな女性たちの活動をしっかり支え助けるONCHAN(おんちゃん)・ONEECHAN・ONIICHAN(若い世代)も含めた、まちづくりで輝く人のことをOCと呼ぶ。】

 30名の実行委員は、すべてにわたり自主的に企画し準備を重ね、「ハイタッチ」で気持ちをひとつにして、2日間の事業をやりきることができました。県内外・鯖江市内から合わせて220名余りの参加があり、その一人ひとりの心にしっかりとサミットの目的が届いたと感じることができました。

◆「そもそも、市民主役事業って何?」

 事業報告書をまとめ、お世話になった団体や協賛者へのお礼を済ませ、ホッとして開催の余韻に浸っていた時、市役所から「市民主役事業の提案について」の説明書が届き、その事業の一つに「全国OCサミット開催事業」が書かれていました。私たちがみんなでおこなったサミット事業が、どうして市の事業として提案事業になっているの?ええっ!来年だれかがやるの?なんで相談もなく書かれているんだろう?しかも、予算減っているし・・・。正直、驚きとともに、来年もしないといけないのか?という気持ちでした。済んだばかりで来年のことなど考えもしなかったわけで・・・。

 急きょ、数名の元実行委員に集まってもらって、市民主役事業の提案についてどうするかを検討しました。話の中で、既存団体のリーダー不足、行政からの委託事業の多さ、前年度踏襲の運営など、たくさんの課題や改善が必要な事項が出され、来年はそこにメスを入れてみようかとのことで、急遽提案資料を作成し、プレゼンテーションに臨みました。

 しかし、その時点でも次年度の開催に対し、積極的な思いはなかったように思います。何か、動かされているような、「やりたいことを楽しく自ら企画しおこなう」という、OCサミット開催の時のポリシーが傷ついているような思いすらありました。

 私たちの提案が認可されたとき、「これはもうやるしかない!」と腹を決めて、実行委員の募集を始め、「ええっ、今年またやるの?」「全国という冠つけるの?」という声を遠くで聞きながら、それでも、新たな希望者を含めて20名の実行委員が集まり、今年のサミットに向けスタートを切りました。

 今年のサミットの様子は次回お届けします。(福井県鯖江市 栗山祐子)

  ×  ×  ×

このコラムに対するみなさんのコメントをFacebookで受け付けています。

 ⇒ゆるパブリックの公式サイト

福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

関連記事