小泉純一郎元首相(左)と握手を交わす地村保志さん=8日、福井県小浜市文化会館

 福井県小浜市の拉致被害者、地村保志さん(62)は8日、講演に訪れた小泉純一郎元首相と、小浜市文化会館で面会した。首相時代の2002年に北朝鮮に訪朝し、地村さんらの帰国につなげた小泉氏に対し、地村さんはお礼を述べた上で、拉致問題解決のためのさらなる協力を求めた。小泉氏は「お元気でほっとしている」と笑顔を見せた。

 面会会場に入るなり、地村さんと小泉氏は両手でしっかりと握手を交わし、席に着いた。

 小泉氏と会うのは、子どもが帰国した04年以来という地村さんは「お礼だけは言いたいと(講演の)主催者にお願いしてこの場をつくっていただいた。帰国後、皆さんのご支援をいただき、家族一同元気にやっております」と報告。「今後は小泉元首相もそうですが、安倍晋三首相はじめ日本政府に拉致問題の解決のために、ご尽力をお願い申し上げます」と述べた。

 小泉氏は「(帰国を果たせていない人が)どれくらいいるか分からないまま、(地村さんらが帰国してから)15年がたった。問題解決の進展がないのは残念。(今は)北朝鮮も(国際的に)孤立している状態だから、難しい問題」と話した。

 小泉氏はこの後の講演でも、拉致問題に触れた。02年の訪朝について「国交のない国に、日本の総理大臣が行ってよいのかという問題があり、また拉致被害者が何人いるのか、どういう状況なのか分からないという中での判断だった」と振り返った。

 拉致問題がいまだ解決していない現状については「被害者(家族)の怒り、憤りは十分理解している。いま拉致について一番真剣に取り組んでいるのは安倍首相。トップが北朝鮮に行けば解決するという問題ではないが、政府は被害者が帰国できるような努力を水面下で一生懸命やっていると思う」と述べた。

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