「めざせ1位」と自らしたためた書を掲げる朝倉ゆめまると福井市の仁愛女子高書道部員=8月31日、福井市の同校

 インターネット投票でご当地キャラクター日本一を決める「ゆるキャラグランプリ(GP)」が今年もスタートした。福井県内からは自治体、企業などの8体が出場。福井市の「朝倉ゆめまる」は3日時点で4位と、1カ月間上位をキープしている。出場数は昨年から約300体減り、ブームにブレーキ感はあるが、上位に入った自治体は全国的な知名度を得て、地元の活性化にもつながっている。GP獲得の秘訣(ひけつ)や経済効果などを探った。

 ■初の2桁台
 県内からは小浜市の「さばトラななちゃん」、越前市の「きくりん」などご当地キャラ6体が出場。企業、その他枠として県薬剤師会の「くすりゅう」、勝山市のNPO恐竜のまち勝山応援隊の「がんばリュー」の2体もエントリーしている。6年連続出場のゆめまるは、GP獲得を目標に掲げる。福井国体、北陸新幹線県内延伸を控え、福井市が注目を集める機会が多い状況を追い風に、票を伸ばしたい考えだ。

 ゆめまるは初出場の2012年に783位。少しずつ順位を上げ、昨年は1421体中83位と初の2桁台を達成した。今回は、8月1日の投票開始以来4位内をキープしている。

 ■順位に比例
 昨年GPを獲得したのは、高知県須崎市のニホンカワウソキャラ「しんじょう君」。同市の人口は約2万3千人だが、ブログや短文投稿サイト「ツイッター」でユニークな行動、発言を発信し県内外のファンを開拓した。4位となった一昨年、しんじょう君をふるさと納税のPRキャラに採用したところ、年間寄付額が前年の約200万円から約6億円に激増。

 静岡県浜松市の「出世大名家康くん」は、市民の自発的な応援団などに後押しされ、15年のGPに。初出場の11年37位、12年7位、13年は準グランプリと着々と順位を上げた。同市によると、順位に比例するように観光客やグッズ販売が増え、12年9月から14年9月までの経済効果は約60億円に上った。

 一方で埼玉県深谷市の「ふっかちゃん」のように、GPこそ取れなかったが、常に上位をキープし不動の人気を獲得した後、大会から勇退したキャラもあるが、その後もグッズの売り上げは伸びているという。

 ■交流機会増やして
 ある上位自治体の担当者は「高い順位を獲得したとしても、イベントに駆け付けるほどの熱いファンが付かないケースも多い」と話す。全国のご当地キャラが集まる催しで、他のキャラが大勢のファンに囲まれている姿を見ると「担当者の心が折れ、エントリーをやめてしまう」こともあるという。

 イベントやブログ、SNSなどで「できるだけファンを開拓し交流する機会を増やすことが上位に食い込むこつ」とアドバイスする。しんじょう君の担当者は「受けを狙うなど、しっかりキャラクターを立てて」とエールを送る。

 ゆめまるは今年、初めて出陣式を開催。夏休み中は勝山市の県立恐竜博物館に遠征したり、お盆の帰省客をJR福井駅で見送ったりし、これまで以上に知名度向上、ファン獲得に力を入れる。8月31日には、仁愛女子高書道部から応援の書を贈られた。

 福井市の担当者は「見事GPを勝ち取り、ゆめまるの名前の由来にもなった、一乗谷朝倉氏遺跡の素晴らしさを日本全国に広めるという夢をかなえさせてあげたい」と応援を呼び掛けている。

 

 ゆるキャラグランプリ 2010年から毎年開かれており、「ゆるキャラで地域を元気に」など三つのテーマを掲げている。1位になると殿堂入りとなり、次回からの出場権がなくなる。これまで1位となったのは「くまモン」「ぐんまちゃん」など。今年は全国から1157体がエントリー。投票は11月10日まで。

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