漆喰塗料を使った和紙の壁紙の試作品を紹介する各企業の代表者ら=4日、福井県庁

 福井県内の越前和紙メーカーと、大手塗料メーカーなどが共同で、国内初となる漆喰(しっくい)塗料を使った和紙の壁紙を試作した。漆喰塗料の抗ウイルス、消臭などの機能と、和紙の調湿機能を併せ持っており、衛生的で快適な室内空間を実現する。2018年度に事業化し、国内外のホテルや学校、病院、介護施設などへの販売を目指す考えで、和紙産業の活性化にもつなげる。

 「漆喰和紙壁紙」の開発に参画しているのは、小畑製紙所(越前市)、清水紙工(同)、和プラス(福井市)、関西ペイント(大阪市)、福井工大、県工業技術センター、福邦銀行で、産学官金の連携事業として本年度の県の補助事業に採択されている。

 関西ペイントは、消石灰を主成分とする建築材向けの漆喰塗料「アレスシックイ」を08年に発売。昨年にはフィルムや不織布などにも使用できる改良品の「アレスシックイ モンティアート」を発売し、越前和紙への活用を和プラスに持ち掛けて開発が始まった。

 小畑製紙所が和紙を漉(す)き、清水紙工が漆喰塗料を塗布加工するなどして仕上げており、販売を和プラスが担う計画。抗ウイルス機能を持った和紙の壁紙は前例がなく、医療機関や宿泊施設などの需要が見込めるという。

 各企業の代表者らが4日、県庁を訪れ、西川一誠知事に取り組みを説明した。関西ペイントの中野佳成・上席執行役員が「漆喰塗料と和紙の特性によって建物内の空気をきれいにできる」などとアピールし、西川知事は「期待しています」と激励した。

 今後は、壁紙に求められる難燃性を備えた和紙の開発などを進めて商品化する。23年ごろに1億円の売り上げを目指す。

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