運営継続が決まった「ありがとう福井」と社長に就いた木下寿志さん(右)ら=1日、福井県坂井市三国町三国東3丁目

 経営難で廃業の方針だった福井県坂井市の就労事業所が、福井市の企業に1日買収され、運営の継続が決まった。企業は生産管理が本業で収益改善に自信を示し、雇用されている障害者11人は引き続き働けることになった。就労事業所が廃業し障害者が大量解雇されるケースが全国で問題となる中、利用者からは「とにかくうれしい」と喜びの声が上がっている。

 運営継続となったのは、就労継続支援A型事業所の「ありがとう福井」(坂井市三国町三国東3丁目)。工場内の生産管理のトータルサポートを手掛けるアセアンテクノロジー(福井市新田塚1丁目、中山浩行社長)が前の運営会社から全株式を取得し、完全子会社化した。

 A型事業所は障害者と雇用契約を結び、最低賃金以上を支払って、軽作業などの職業訓練をする。ありがとう福井では現在、11人の障害者が働いており、サービス管理責任者ら2人の職員とともに、全員の雇用が引き継がれた。

 ありがとう福井は坂井市三国町で唯一のA型事業所だが、経営が厳しく、今春ごろ廃業の方針が固まっていた。ガス、化学など各種プラントの設計施工を手掛けるナカテック(坂井市春江町藤鷲塚)の関連会社のアセアン社が聞きつけ、買収に名乗りを上げた。交渉の末に1日、譲渡契約を結び、実行された。

 アセアン社の木下寿志さんは買収の理由を「これまでに福祉施設に業務を委託した経験から、障害者の可能性を感じていたし、活躍するステージを増やしたいという思いがあった」と説明した。福井県内は有効求人倍率が全国1位で人手不足が問題となる中、同社が女性や高齢者を含め多様な人材の活用を目指していたことも後押しした。

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