ご神棒を右手に携え女性の姿を探す天狗=1日、福井県美浜町新庄

 子孫繁栄や五穀豊穣を願う福井県美浜町新庄の奇祭「八朔祭」が1日、区内で営まれた。男性のシンボルをかたどったご神体「神棒(しんぼう)」を持った天狗が、逃げ回る女性らをつついて回った。

 400年以上前から伝わる伝統行事。東西に分かれ、それぞれが各公会堂から日吉神社にお神酒の入った「樽神輿」を奉納する。みこし行列を先導するのは露払い役の天狗。長さ50センチ、太さ8センチほどの木製の神棒を袖に隠し持ち、突かれた女性は子宝に恵まれるとされる。

 天狗役は奉納前の宴会の席で決められ、それぞれ若い男性が務める。黒い着物と天狗のお面、かさや草履を身に着け誰か分からないように演じる習わしという。

 練り歩く列が見えると、沿道の見物者は大騒ぎ。天狗が女性や子ども目がけて全速力で追いかけ回すと、周りから歓声が送られていた。

 久保茂樹区長(65)は「人口が減り継承が難しくなっているが、今後も受け継ぎたい祭り」と話す。同区出身の新井紗貴さん(27)は、息子の航ちゃん(1)と参加。「最近は新庄に小さい子どもが増えている。御利益があるのかも」と笑顔だった。
 

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