藤井聡太四段の活躍によって、脚光を浴びるようになったモンテッソーリ教育。実は数年前からビジネスパーソンの間では話題となっていました。それは有名起業家を含めた著名人に、モンテッソーリ教育を受けた人が多いからです。

藤井聡太四段

 Googleの共同創立者セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ。Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス。Wikipedia創設者ジミー・ウェールズ。学者では経営学者のピーター・ドラッカー。そして政治の分野ではビル&ヒラリー・クリントン夫妻、バラク・オバマ大統領も。実際、アメリカには3000を超えるモンテッソーリ教育施設があるといわれています。

 ヨーロッパでもモンテッソーリ教育は盛んです。イギリス王室ウィリアム王子はご自身がモンテッソーリ教育を受けましたが、自分の子どもにもモンテッソーリ教育を受けさせています。

 私は1998年にモンテッソーリ教育に出合い、東京・吉祥寺に就学前児童を対象としたモンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」を開園しました。現在では教員の養成も行っています。またモンテッソーリ教育を皆に理解し、実践してもらうために、保育・育児に関する研修や講演会に日本全国を飛び回る日々を過ごしています。

 モンテッソーリ教育がどのようなものであるか、簡単に紹介しましょう。

子どもは自分の「伸ばしたい能力」を知っている

 モンテッソーリ教育は、マリア・モンテッソーリ(1870~1952)という、女性医学者・科学者によって、イタリアで始められた教育法です。今日では、欧米で3割の子どもが何らかの形でこの教育を受けているといわれています。

 マリア・モンテッソーリは、すべての子どもは、「自らを伸ばす力(自己教育力)」を持っていると考えました。そのため、大人が子どもに「教える」のではなく、大人はあくまでも「サポート役」に徹することを求めます。私たちはともすると、子どもを教え導きたくなるものですが、そこをぐっと踏みとどまり、子どもの自分で伸びる力を信じ、そのための環境を整える役割に徹する。それがこの教育法の根底に流れる精神です。

 小さくても、子どもは自分の伸ばしたい能力に気づいています。

 そしてその能力を伸ばすために、大人から見ると「なんで?」と思うような行動をとったり、同じことを何度も繰り返したりします。

 

 たとえば「急いで!」といくら言っても急がない。いつもと違う道で帰るとかんしゃくを起こす。毎日同じ服を着ようとする、お友達におもちゃを譲ることができない……。これら日常の「事件」は、1歳半から3歳の間に多く現れ、大人はこれを「イヤイヤ期」と呼んでいます。しかし、これら大人にとっては「困った行動」の裏には、子どもが大きく成長するためのヒントが隠されているのです。

 私たちはこの時期をイヤイヤ期ではなく「敏感期」と呼んでいます。「敏感期」自体は、子どもの成長を通じて長い間続きますが、その特徴がいちばん表に現れるのは、人生最初の6年間です。そして言葉を話し始める頃のイヤイヤ期と重なる時期が、敏感期の中でも親子の衝突がいちばん生じやすい時期となります。

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