越知神社の境内で護摩をたく沢田界道さん=28日、福井県越前町の越知山

 修験者として福井県内外で修行を重ねている敦賀市の沢田界道(本名匠司)さん(49)は今夏、泰澄大師ゆかりの越前町の越知山に2カ月にわたって通い、心身の鍛錬に励んできた。泰澄が少年~青年期に同山で修行したとされる7~8世紀に思いをはせながら祈祷(きとう)などを行い、白山にも登った。28日は山頂での護摩行で修行を締めくくり、「白山開山1300年の記念の年に修行をできたのは光栄」と笑顔を浮かべた。

 修験者とは山にこもって修行する人を指す。沢田さんが修験者を志したのは7年ほど前。以前から修験道に興味を持っていたが、寺社へお参りなどをする中で少しずつ思いが強くなり、奈良県吉野町の金峯山寺(きんぷせんじ)で修行を始めた。月の半分を敦賀市内で過ごし、残りを同寺の職員として滞在しながら祈祷や清掃に従事、心身を磨いている。

 越知山はこれまでも何回か訪れていたが、白山開山1300年の今年は修行を本格化。7月以降、金峯山寺へ行かない月の半分は自宅から越知山山頂の越知神社へ頻繁に通った。頭に頭襟(ときん)、体には白や黒の装束をまとい、地下足袋で登山したり大谷義鷹宮司の作務を手伝ったりしてきた。登山者へのおはらいの時は宮司の後方に座り、ほら貝を吹いて祭事を補佐した。

 「越知山は(泰澄とのつながりが深い)神仏習合の形が今でも残る特別な場所。豊かな自然や空気からは不思議な霊気があるように感じられる」と沢田さん。神社で祈祷を行ったほか、周辺の清掃活動にも汗を流し、古来修験者たちが数多く過ごした霊峰に感謝をささげた。

 7月には越知山での修行の合間に白山へも足を延ばした。白山は泰澄が越知山での修行後に36歳で開いたとされる。

 修行最終日となった28日は、同神社の前で護摩を焚(た)いた。大谷宮司による祝詞の後、境内に置いた護摩壇に火をともし、祈りをささげた。これから当面は金峯山寺での修行が中心になるという。沢田さんは「今後も修行を続け、皆さんが幸せになれるよう祈りたい」と話していた。

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