イラスト・小林孝文

 食物アレルギーとは、特定の食物が原因となってアレルギー反応を起こす病気です。じんましんや湿疹、唇やのどの腫れ、せき、ゼーゼーする、呼吸困難、腹痛、下痢、嘔吐(おうと)などさまざまな症状が出ます。全身で起きると血圧が低下し、アナフィラキシーショックとなり、命にかかわることもあります。

 食物アレルギーと診断するには、原因食物を見つける必要があります。皮膚テストや血液検査で、アレルギー反応の原因となる物質に反応する抗体「IgE(アイジーイー)」を調べます。しかし、IgEが陽性でも、原因食物とは限りません。

 疑わしい食べ物を少量ずつ食べてみて、症状が起きるかを確認する「経口負荷試験」が最も確実な診断法です。負荷試験で症状が出ない場合は、IgEが陽性でも原因食物でない可能性が高くなります。


■除去食品は最小限に

 治療では、症状を引き起こす食品を除去するのが原則です。ただ、除去する食品の種類や量は必要最小限にとどめることが重要です。食べても症状が出ない量までなら、食べても大丈夫です。また、調理や加工により症状が出なくなる食品は除去する必要はありません。食物除去をする場合には、不足する栄養を代わりの食品で補いましょう。

 原因となる食物は一人一人異なるので、一般的にアレルギーを起こしやすいといわれている食品だからといって除去することは勧められません。成長に伴い徐々に食べられるようになることが多いので、除去の必要性を定期的に再確認する必要があります。

■離乳食開始までに皮膚治療

 妊娠中にお母さんが食事制限をしても予防効果はありません。また、離乳食の開始を遅らせ過ぎると食物アレルギーになりやすいことが分かってきました。

 皮膚がかさかさし、赤いぶつぶつ(湿疹)が出ている場合には、離乳食を開始するまでに皮膚の治療しておくことも食物アレルギーの予防に重要です。赤ちゃんに初めての食品を与える場合には、少量ずつ様子を見ながら与えましょう。(大嶋勇成/福井大医学部小児科教授)

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