九月一日の防災の日にちなみ、震度7の直下型地震を想定した県総合防災訓練が二十六日、福井市森田地区の九頭竜川緑地多目的広場を中心に行われた。市民や七十七の機関から約二千八百人が参加。消防や医療機関と住民が連携し、負傷者の救急搬送の優先順位などを決める初の大規模トリアージ訓練などが本番さながらに繰り広げられた。

 訓練は、午前八時半ごろ、福井市北部を震源とするマグニチュード(M)7・1の地震が起き、家屋が倒壊するなど甚大な被害が発生、多数の死傷者が出たとの想定。

 トリアージ訓練には、同市消防局の救急救命士、県内病院の「災害派遣医療チーム(DMAT)」の医師や看護師、県広域消防相互応援協定に基づき結集した県内各消防本部の特別救助隊ら約百人が臨んだ。

 被害の特に大きい災害現場付近でのトリアージを想定。救助隊員や自主防災組織の住民によって路線バスや倒壊家屋などから約二百人の市民が続々と運び込まれると、医師らが負傷者に声を掛けながら慎重に症状を見極め、「死亡」と判断する黒色、重傷を表す赤色などのカードを手首にひもで取り付けていった。

 近くに設置されたテントでは心肺停止患者や負傷者の応急処置を実施。重傷者を優先して救急車で病院搬送するまでの訓練を行った。同市石盛町の会社員、野坂由紀子さん(49)は「トリアージは初めて知った。住民が趣旨を理解していることで、災害現場での混乱を最小限にとどめることができるのでは」と話していた。

 土砂災害訓練では自衛隊員が土砂に埋まった車から、油圧式のカッターを使い負傷者を救助。九頭竜川の中州に取り残された被災者の救出、本県や富山県の防災ヘリによる負傷者搬送訓練などもあり、各機関が連携して陸、空、川を網羅した実践的な訓練を展開した。

 また地震発生直後、西川知事を本部長とする災害対策本部を県庁内に設置。携帯メールでの連絡を受けて駆けつけた県の緊急時特別初動班の図上訓練や、県災害情報ITシステムを活用し、市町との連絡をインターネットで行う訓練などにも初めて取り組んだ。

 森田小グラウンドへの住民の避難訓練、寝たきりの人や障害者らを近くの福祉施設に受け入れる訓練も行われた。

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