新工場で生産する高耐熱フィルムの「ゼノマックス」(東洋紡提供)

 東洋紡(本社大阪市)は、化学品専門商社の長瀬産業(本社東京)と共同で東洋紡敦賀事業所(福井県敦賀市東洋町)敷地内に新工場を建設する。12月に着工し、来年10月稼働予定。電子ペーパーディスプレーやセンサーの電子回路基板材向けの高耐熱フィルムを生産する。東洋紡の楢原誠慈社長、長瀬産業の朝倉研二社長らが23日、県庁を訪れて西川一誠知事に報告した。

 本格生産、販売に向け、両社は来年4月に同事業所内に合弁会社を設立する。資本金は34億円で、出資比率は東洋紡66・6%、長瀬産業33・4%。長瀬産業はマーケティングを担当する。2022年度に100億円の売り上げを目指しており、さらなる工場建設も検討する。

 新工場は延べ床面積約4300平方メートルの鉄骨2階建て(一部5階建て)で、投資額は約30億円。従業員数は約40人で、このうち約30人を地元で雇用する計画。

 生産するフィルムは、高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」と呼ばれる製品で、東洋紡が開発した。ポリイミドフィルムは、主に電子回路基板材用の絶縁フィルムとして使われる。

 同社によると、ディスプレーやセンサーに用いられる薄型のトランジスタなどの電子回路はこれまで、高い加工温度に耐えられるようガラス基板上に作られてきた。高耐熱フィルムはガラスに比べて重さが70分の1、厚さが15分の1。曲げやすい利点もあり、ガラスに代わる基板材として需要が高まっていることから事業化して本格生産する。

 楢原社長は「世界最先端の技術を福井から大きくしていきたい」と意欲を示し、西川知事は「投資していただきありがたい。さらなる発展を期待している」と述べた。

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