「多世帯同居・近居住まい推進事業」の助成戸数

 核家族化が進む中、親世帯の近くに子ども世帯が住む「近居」が福井県内で進んでいる。近居での新築や住宅購入費を助成する県事業の助成戸数が、2016年度は前年度から倍増した。申請者は30、40代の子育て世代が9割近くを占める。将来の親世代の介護なども考えた「スープの冷めない距離」(県建築住宅課)で互いに支え合う住環境づくりが県内で進んでいる。

 県は13年度から、多世帯同居へのリフォームを助成する事業を開始。15年度からは、ライフスタイルの多様性を踏まえ、同一小学校校区または車で5分圏内に住む「近居」を助成対象に加えた「多世帯同居・近居住まい推進事業」をスタートした。

 同居のリフォームには上限80万円、近居には上限50万円を助成する。財源は国45%、残りを県と各市町が折半している。

 助成が同居のみだった13年度は12戸、14年度も20戸だったが、近居を加えた15年度は同居27戸、近居34戸の計61戸に伸びた。さらに16年度には同居66戸、近居77戸の計143戸と目標の計100戸を大きく上回り、同居、近居とも前年度から2倍以上増えた。市町別では、16年度は福井市21戸、大野市16戸、越前町10戸などとなっている。

 県建築住宅課によると、申請者の9割近くが30、40代の子育て世帯で新築が多かった。「助成事業が同居や近居の後押しになった」との声が聞かれたという。

 国勢調査では、15年度の福井県の3世代同居率は15・0%で、全国平均の5・7%を大きく上回っているものの右肩下がりとなっている。ただ県の調査では、親世代は高齢期に子どもたちと同居するより近居を望む傾向がみられた。子どもたちも子育て時期に別居している家族の助けを借りたいと考える割合が高く、近居の助成制度は県民ニーズと合致した形といえる。

 県は本年度当初予算に、約1787万円を計上した。県建築住宅課は「県の事業を活用する市町数が増え、県民の認知が進んでいる。人口増に向け、住環境の充実を図っていきたい」と話している。

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