【論説】高校生が議員になって政治を身近に感じ、地元の課題やまちづくりなどを考える高校生議会が県会、坂井市会で開かれ、議会の仕組みや運営方法など学んだ。高校生には議会の意義を確認し、選挙の投票に生かしてほしいのはもちろん、住んでいる地域を考えるきっかけにしてほしい。

 県会主催の高校生議会は今年で3回目。県内9校から36人が参加した。各校数人でチームを編成し、事前に質問を考え、議場でやりとりした。メインの「本会議」だけでなく、議会運営委員会、本会議後の委員会と一連の流れに沿って進められた。

 県議も事前に高校に足を運び、質問づくりを指南。本会議では高校生の質問に対し理事者役として答弁するなど、開かれた議会に向け汗をかいた。坂井市会も同様に議員が尽力。運営面では、市長が実際に答弁するなど、行政もバックアップした。いずれも高校生は自分たちの意見、考えをはっきりとぶつけた。

 高校生議会を通して、議会に少しは関心を持ったことだろうが、加えて福井のこと、自分たちの身の回りのことをいま一度、真剣に考えたのではないか。何が不便で、何が課題かを若者たちが話し合うことは重要だ。地域のまちづくりへの参加意識も生まれる。それが将来の地元定着やUターンにもつながってくるはずだ。

 一方、議会にとっても若者の参加はカンフル剤となる。議会や議員の魅力は地方にいくほど薄くなっている。深刻な過疎地などでは議員のなり手がなく、議会が維持できず住民が直接審議する「総会」への移行も検討されている。議会も危機感を持つべきだ。自治体の首長とともに二元代表制の一翼を担う議会が先細りになってはいけない。

 さらに県会の場合は理事者側の答弁も担うことは、しっかりと若者の意見を受け止めることにもなる。今回、高校生から出た質問や要望は、地元の若者たちを代弁する意見と受け止めてほしい。高校生議会の場だけで終わらせるのではなく、しっかりと解決に向け取り組んでほしい。解決されることによって、高校生たちも議会の果たす機能を実感できるはずだ。

 今後は県内各市町に普及拡大することを期待する。議員も勉強し、技能向上に努めなければならない。一方で、議会側がいくら情報発信しても受け取る側がキャッチしなければ情報の垂れ流しに終わってしまう。高校生側も議会の仕組みを生徒会にフィードバックするなど次に生かすことを考えてほしい。議会参加者だけが満足するだけではもったいない。双方で機能を高め、さらに有意義なものに育てる工夫が求められる。

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