JA福井市で起きた巨額着服を陳謝するJA県5連の田波会長=18日、福井市の福井県農業会館

 JA福井市職員による巨額着服事件を受け、JA福井県5連の田波俊明会長は18日の定例会見で、「組合員や地域の住民の皆さまに本当にご迷惑をお掛けした」と陳謝した。その上で、県内の全12JAに対し、定期貯金の解約などで不審な点がないか緊急点検するよう指示したと述べた。

 調査するのは、2017年1月以降に現金払いで解約された定期積金と定期貯金。伝票や証書などの突き合わせを行い、8月中に各JAから報告を受ける。緊急の組合長会議も月内に開催し、着服が起きた原因や危機感の共有を図るとした。

 田波会長は「4年を超えて同一顧客を担当してはならない」という自主ルールに違反していた点を問題視。顧客に信頼されている担当を代えることで貯金が減額する可能性があっても「役員は毅然(きぜん)と対応しなければならない」とし、今回の不祥事は役員の責任が大きいとの認識を示した。

 県中央会が各JAに対して行っている監査については「財務諸表という表に出たものを監査するので、(不正の探知は)なかなか難しい」と釈明。着服した職員が顧客の通帳や印鑑を自宅で預かっていた点には「あってはならないこと。まずはコンプライアンスをしっかり守ることが大切」と述べ、役職員の意識改革や内部管理態勢の強化に努めるとした。

 今回の不祥事では、JA福井市の支店に勤務する40代前半の男性職員が、15年にわたり顧客の貯金など計約1億6千万円を着服。遊興費や借金返済、課されたノルマを達成するための共済掛け金などに充てたとみられている。

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