福井県越前市役所=2015年、同市府中1丁目

 昨年12月の福井県越前市議会定例会で、市議の発言などを議長職権により取り消すよう命じたのは違法として、同市議が命令の取り消しを求める訴訟を17日、福井地裁に起こした。

 提訴したのは、会派「未来」の佐々木哲夫市議(64)。被告は、取り消し処分をした市議会議長が所属する行政主体の同市となる。

 同日、小形善信会長ら未来の4市議、代理人2人と市内で会見を開いた佐々木市議は「今回のような発言削除や制止は、議場における議員の自由な発言を封殺し、権利を奪う」と主張。会派や同日結成された支援組織とともに訴訟を闘っていくとした。代理人は「本来なら議論で解決すべき問題」と述べた上で、同様の訴訟は全国的に珍しく、近年では愛知県議会議長に発言を取り消された同県議が提訴した例があるという。

 訴状によると、佐々木市議は昨年12月の一般質問で、同9月定例会での新庁舎設計に関する質疑を振り返り「市長は私の質問に答え、関係団体などの意見はときに偏り、一部意見であるという趣旨の考え方を示されました」などと発言した。これに対し、奈良俊幸市長は9月定例会での自身の答弁が曲解されたとして、当時の城戸茂夫議長に対し会議録を精査し妥当な措置をとるよう要請。城戸議長は1月上旬ごろ、12月定例会での2人の一連の発言について取り消しを命令した。

 地方自治法は、議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は発言を取り消せるとしている。しかし、訴状では「議場の秩序を乱す言動でないことは明らか」と主張。取り消しはその日の会議の円滑な進行を図るための権限で、12月定例会後になされた取り消し命令は違法だとしている。

 同市議会の前田一博議長は「訴状内容を確認していないので、現時点ではコメントできない」と述べた。奈良市長は「佐々木議員が12月議会で不正確な発言を行ったことを市議会が問題視し、妥当な対応をされたものと理解しています」とのコメントを出した。

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