将来的な維持管理が課題となっているガレリア元町商店街のアーケード=7月、福井市中央1丁目

 福井市中央1丁目のガレリア元町商店街で、アーケードの維持管理が重い課題となっている。今年に入って再開発計画に伴う退店が集中したため、管理主体である元町商店街協同組合の組合員が減少。年間数百万円を要してきた維持管理費をまかなえるだけの負担金が集まらなくなった。仮に撤去に踏み切るとしても、それ以上の費用が必要。高度経済成長期の商店街繁栄のシンボルが、時代の変遷を経て在り方を問われている。

 組合によると、ガレリア元町商店街のアーケードは50年ほど前に設置され、修理・再建を重ねてきた。風雨をしのげる近代的な歩行者空間をつくろうと、通りの両側の建物とつなぐ全蓋(ぜんがい)型のアーケードとし、近県からの注目も集めた。現在のアーケードは1991年の全面改装で完成。全長は125メートルあり、高さ18メートル、幅8メートル。組合が国、県、市の補助を受けて整備し、管理している。

 近年の維持管理費は年間200万~400万円にも上る。老朽化によって、さびが生じた柱を塗装したり、天井を張り替えたりといった補修を迫られることが増えたためだ。2009年には天井のポリカーボネート破片が落下したこともあり、以降は特に安全対策に細心の注意を払っているという。

 負担金は、テナントや地権者の組合員から店舗の間口に応じた額を組合が徴収する。昨年までは加盟19軒が、合計で年間約200万円を負担。貯金の取り崩しと合わせて維持管理費に充ててきた。

 そこに、元食品スーパー「ハニー食市場北の庄」一帯の再開発構想が浮上した。計画が具体化したことで、解体を控えた建物内の事業者が退店。組合員は12軒に減り、十分な維持管理費の確保がままならなくなった。

 組合内には、将来負担の懸念から撤去の提案もあったが、撤去費用は数千万円となる見通しで、現状での自己負担は困難な状況。他の理事からは「歴史あるシンボルを壊したくない」「行政補助を受けて整備したものをやめるわけにはいかない」などの反対意見が出たという。

 アーケード下の通りをイベント会場として活用する市民団体からも「天候を気にせずに企画をたてられて便利。あった方がいい」との声が聞かれる。一方で、まちづくり活動に携わる別の建築関係者は「雨にぬれないという利便性以外にも、まちの良さは見いだせるはず。撤去したらしたで、明るい雰囲気になるのでは」と、維持にこだわる考えには疑問を投げ掛けている。

 木本茂樹理事長は「アーケードのおかげで天候の心配もなく、夜も照明で明るい。安全安心が売りの商店街を保ちたい」との考え。10年と12年の改修によって、当面は小規模な補修で維持できるとする一方、将来の管理については「今のままではじり貧。いつかは破たんしてしまう」と不安をのぞかせている。

関連記事
あわせて読みたい