──手術後3年経って、新膀胱との付き合いには慣れましたか?

 そうですね。新膀胱は小腸を50センチメートル切って袋状の膀胱にする最先端の方式。尿意はなく、2時間おきの排尿など管理が大変です。でも最近はたまったのを感じるようになった。初めは新膀胱がまだ小さいので2時間おきだった排尿も、今は夜は3時間おき。トイレで2分くらい目いっぱい腹圧かけて、脳の血管切れるんじゃないかってくらい踏ん張る。細切れ睡眠にも慣れました。定期検診は半年ごと、仕事は完全復帰。ゴルフもよく行くようになりました。

何年生きるかではなく、どう充実して生きるかを考える

──今、大事にしてることは?

 今の僕は何年生きるかではなく、どう充実して生きるかを考えるようになった。大事にしているのは「食事」「運動」「笑う」です。食事は添加物を避け、有機野菜中心の和食に切り替えた。体は冷やさない、そして免疫力を高めるためにいっぱい笑う。女房が調べてきてよさそうな療法は、とにかく試しました。手術前に本気で生活を変えましたから。手術後の病理検査の結果で、骨盤リンパ節に2カ所転移していたがんが消えていて、抗がん剤がよく効いたのと何らかの免疫機能も働いたんでしょうね、と先生に言われましたよ。

 闘病中に書いた「退院したら達成すべき10個の目標」は、ホノルルマラソンは走ったし、広島カープ戦の始球式も出たし、旅行も行ったし、半分以上実現した。でも目標はクリアしてもどんどん作っていかないと。達成したら死んじゃいそうな気がするんです。僕は強い人間じゃないですから(笑)。(中村 陽子 :東洋経済 記者)


 

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