17年ぶりに開帳された十一面観世音菩薩立像を見る住民=12日、福井県あわら市北本堂の神明神社境内の観音堂

 福井県あわら市北本堂の住民が「泰澄大師が作った菩薩様」としてまつっている十一面観世音菩薩立像(市指定文化財)が12日、同区の神明神社境内の観音堂で17年ぶりに開帳された。区民が穏やかで慈悲深い表情を間近に見つめ、無病息災や五穀豊穣、地域の平穏を願った。

 菩薩立像は高さ約1・7メートル。ケヤキの一木造りで、頭の上と冠の上に計11の顔がある。左手に花瓶を持ち右手は真っすぐ下に伸びている。

 同区によると、1400年頃には菩薩立像が泰澄作であるとの言い伝えがあり、区民が氏神として大切に保存してきたという。文化財指定に向けた1982年の旧芦原町の調査で、作られた時期が11世紀前半と鑑定された。泰澄は奈良時代に白山を開いたとされているが、菩薩立像が泰澄作であるとの住民の思いが変わることはないという。

 この日午前8時半、氏子総代の小西義治さん(63)が観音堂の扉を開き、約50人が参列して法要が営まれた。区民が続々詰め掛け、像を見つめながら手を合わせていた。白山開山から1300年と開帳の年が重なったこともあり、県観光連盟が企画した泰澄ゆかりの地を巡るツアーの参加者32人も訪れた。

 篠崎友歌さん(小学5年)は「頭の上に顔があって少し怖かった。自宅近くにこんな立派なものがあるなんて驚きです」と話していた。篠崎勇次区長(66)は「初めて見る子どももいれば見納めと思って訪れるお年寄りもいる。開帳で区の一体感が生まれ、子どもの郷土愛が育めたと思う」としみじみ語った。

 13、14日も午前8時から午後7時まで開帳される。

関連記事
あわせて読みたい