今年1月に亡くなった女性の骨を海にまく家族=7月25日、沖縄県恩納村から沖合2キロ

生前の女性が拾ったサンゴ(右)と、次女が拾ったサンゴ。両方とも遺影の前に供えられている

 「海に骨をまいてください」。40代の妻がエンディングノートに残した思いをかなえるため、福井市の男性は7月、娘2人と沖縄の海で散骨した。今年1月に亡くなった妻の墓はなく「これでいいのか」と悩んだが、今の気持ちは晴れやかという。「毎年は無理でも、3人で墓参りの代わりに沖縄旅行して、妻を思い出したい」

  ■生前最後の旅■

 昨年10月、男性家族は4泊5日の沖縄旅行に出掛けた。沖縄美ら海水族館に行き、アグー豚のしゃぶしゃぶを食べ、海岸線では白いサンゴを拾った。妻は大好きなオリオンビールを少しだけ飲んだ。生前最後の旅だった。

 女性は2015年秋にがんが見つかった。抗がん剤治療を終え、体力が回復したように見えた。しかし旅行後間もなく再発した。

 男性が遺品整理をしている際、市販のエンディングノートが見つかった。そこには「信仰にかかわることはしないで。海に骨をまいてください」と書かれていた。男性は「娘と相談し、沖縄の海で散骨しようと決めた」。

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