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 第二次世界大戦中、ユダヤ人排斥を掲げるナチスドイツ支配下に置かれたフランスでは、多くのユダヤ人がナチスの追跡から逃れようと必死に生きていました。本作の主人公である13歳のユダヤ人少女・ファニーも、親元を離れてユダヤ人の子供たちを匿う保護施設で平穏に暮らしていましたが、ある日そこにもナチスの魔の手が伸びてきます。必死に逃れようとするファニーは混乱の中で、一番の年長者として他の子供達と一緒にスイスを目指して移動することとなります。

 ファニーを演じるのは、フランスの新人女優レオニー・スーショー。時に感情を爆発させてしまったり、怒ったり泣いたり、葛藤しながらも懸命に生きようとするファニーを等身大で表現した彼女はもちろんのこと、子供たち全員が本当に素晴らしい演技を見せています。

 13歳という大人とも子供とも言えない、繊細な年頃の彼女が二人の小さな妹たち、そして一緒に逃げるちっちゃい子供たちの手を引き、背中におぶりながら懸命にナチスから逃げていく姿は立派で、悲しくて、辛くて最初から最後まで泣きながら「頑張れファニー、頑張れ!」と応援しながら見ていました。

 大人たちが勝手に始めた無責任な戦争によって、最終的に傷つけられるのはファニーのような子供たちです。終戦から72年が経とうとしている日本ですが、未だに世界中で戦いが続いています。8月の終戦記念日の前後には、テレビや映画で、かつて日本で戦った兵士たちの姿を描いた作品が数多く上映されますが、世界ではどんな悲劇があったのか。今一度多くの悲劇に目を向けて、犠牲となる子供たちのことを考えてもらえる映画だと思います。★★★★★(森田真帆)

監督:ローラ・ドワイヨン

出演:レオニー・スーショー、ファンティーヌ・アルドゥアン、ジュリアーヌ・ルプロー

8月11日から全国順次公開

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