木を揺すられ、次々と収穫されていくナツメ=5日、福井市小幡町

 ナツメは漢方食材として知られ、古くから中国、韓国料理に使われてきた。日本の食卓ではあまりなじみがなかったが、一大産地の福井のナツメは無農薬で栽培されており、健康・安全志向の高まりとともに注目を浴びている。栄養価が高く、夏バテ予防にもぴったり。普段の料理に加えて手軽に取り入れられる。

 「ナツメは鉄分やカリウムが豊富で、貧血や熱中症対策に効果が期待できる」とは食文化研究家スギアカツキさん(東京)。味はプルーンに似ているが、100グラム当たりの鉄分含有量は乾燥プルーンの1・5倍。妊娠を望んでいる女性には特に良いとされる葉酸も豊富。「福井をはじめ国内産ナツメは甘みと酸味のバランスが良く、信頼できるスーパーフード」と語る。

 福井では、奈良時代に棗郷(なつめごう)と呼ばれる荘園があり、歴史的にもゆかりの深い福井市棗地区で主に生産されている。加工を担う会社組織があるのは全国で唯一という。

 同地区にある「棗の里農産」は、約8ヘクタールの畑で苗木を含め約5千本のナツメの木を栽培、昨年度は約7トンを出荷した。ここで収穫したナツメで商品を製造するシーロード(同市)によると、近年はシロップやお茶、あめなどに加え、料理にも使えるシンプルな乾燥ナツメの人気が高まっている。千葉真也常務は「さまざまな病気の予防や回復のために食べる人が目立っている」と話す。今年は例年になく在庫が少なくなっており、今月下旬からの収穫に期待を寄せている状態だ。

 乾燥ナツメは戻して調理してもいいが、戻さなくても使える。炊飯器で米と一緒に炊くだけで、ほんのり甘いご飯に。梅干しやショウガを加えると、夏に合うさっぱりご飯になる。洋風アレンジも可能で、トマトなどと一緒に煮込んでスープにすると味に深みが出る。戻した煮汁は飲み物にでき、ココナツウオーターとレモン汁を加えることで、鉄分の吸収が高まるという。

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