9月2日に敦賀港に初寄港するダイヤモンド・プリンセス(プリンセス・クルーズ提供)

木島榮子さん

 9月2日に敦賀港(福井県)に初寄港する「ダイヤモンド・プリンセス」は、乗客2700人とほぼ満席でやってくるが、そのうち外国人客は2千人近くになる。欧米人が多く乗船している。

 米プリンセス・クルーズ社が日本人客を対象に日本発着クルーズを2013年に始めたが、外国人客がどんどん増えてきた。「フライ・アンド・クルーズ」といって飛行機で来日して、国内港から乗船する。効率的に日本を周遊して楽しめるため人気が出た。

 クルーズ客船が寄港したい港は、港湾設備が十分に整い、観光地としての魅力があるかが重要。敦賀港を見学したが、安全に客船が接岸でき、観光資源も敦賀赤レンガ倉庫や人道の港敦賀ムゼウム、気比神宮などがあり恵まれている。福井県内には永平寺、東尋坊、県立恐竜博物館もあり寄港時に足を運べる。

 地域住民の受け入れ態勢も大事な要素。敦賀は第2次大戦中に外交官杉原千畝の「命のビザ」でユダヤ難民を温かく迎えた歴史があり、ダイヤモンド・プリンセス寄港時にも、外国人客を隣人のように迎えてくれると期待している。

 クルーズ客船がもたらす経済効果は地域が期待するところ。一つの寄港地で欧米人や日本人客は1人当たり1万~2万円、中国人は3万~7万円を使う。2700人分が街に観光収入として入る。地域住民にとってはボランティア活動も楽しみの一つ。中高生が外国人客の案内を務めれば英語の勉強になる。

 外国人客を受け入れるには多言語対応が重要で、市内の地図や道路標識が多言語表記だと良い。欧米人は無料の公衆無線LANサービス「Wi―Fi(ワイファイ)」やクレジットカード使用を求めるので、店舗が対応していることが非常に大事だ。

 欧米では最近、家族旅行でクルーズを楽しむことがブームとなっている。クルーズ客船で訪日する外国人客は既に年間200万人以上で、政府は2020年に500万人に増やす目標。客船誘致は金沢、舞鶴などの日本海側の港と競争だが、積極的に誘致するには船会社の本社でアピールすることが必要となる。

 ■国内外のクルーズ旅行を企画立案 木島榮子さん

 1941年、東京都生まれ。旅行会社で海外旅行の商品企画を担当し世界各国を回った後、92年に「クルーズバケーション」を創業。代表取締役社長として海外クルーズ船社の日本窓口やクルーズ旅行の企画立案、日本のクルーズ市場拡大に取り組む。

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