昨年5月ごろから左足の膝から下や足の裏がしびれだし、右足も同様の症状になりました。MRI検査を受け「脊柱管狭窄(きょうさく)症」と診断されました。マッサージは効果がなく、貼り薬を使っています。最近は風呂上がりに足首から先がむずがゆくなる症状も現れ、アロエを塗っています。できれば手術は避けたいと考えています。少しでも楽になる方法はありませんか。(福井市、78歳女性)

 【お答えします】岡山忠樹・福井県済生会病院整形外科医長

 ■薬物療法、注射、装具療法など有効

 腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴う腰骨(腰椎)の変形や靭帯の肥厚、骨と骨の間のクッション(椎間板)の膨隆(ぼうりゅう)などによって腰の神経の通り道が狭くなり、足の痛みやしびれが出現する病気です。手術をしない保存的治療としては薬物療法、注射、装具療法、牽引(けんいん)療法、低周波療法、運動療法などがあります。

 ▽薬物療法 非ステロイド性消炎鎮痛薬、筋弛緩(しかん)薬、ビタミンB12、経口プロスタグランジンE1製剤などが比較的以前から使用されています。また最近では神経障害性疼痛(とうつう)に効く薬や弱オピオイドなども開発されており、選択肢はかなり広がっています。自身に合う薬を調整してもらうのがよいと思われます。

 ▽注射 硬膜外ブロックや神経根ブロックなどがあります。注射は痛みを伴いますが、炎症を抑える薬を局所に投与することにより症状の改善を図ります。ただ効果は個人差があります。

 ▽装具療法 腰仙椎コルセットを用いることで、歩行距離の延長と痛みの軽減を得ることができます。

 ▽牽引療法、低周波療法 効果は論文などで十分に証明されているわけではありませんが、昔からの治療法で、整形外科医の指導の下で行うのはよいと思われます。

 ■体幹筋の鍛錬も重要

 ▽運動療法 体幹筋(腹筋や背筋)を鍛えることが重要です。散歩が最も効果的ですが、狭窄症の場合は長く歩くと症状が強くなるので、短い時間にとどめてください。姿勢については、腰を伸ばすと神経の通り道が狭くなるため足がしびれてきます。少し前かがみで歩くことを勧めます。

 体幹の柔軟性も大切です。背筋のストレッチとして、丸くなる体操を勧めます。あおむけに寝転がった状態から両膝を抱え、両膝を胸の方に引き付けるようにして体を丸くします。顎を引いて頭を両膝に近づけると、なお効果的です。

 その他、座った状態でのラジオ体操もよいです。運動療法は無理のない程度に行い、症状が悪化するようであれば中止してください。

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