北朝鮮による拉致の疑いが濃厚な特定失踪者としてリストに挙がり、2016年6月に19年ぶりに国内で発見された福井県旧三方町職員の宮内和也さん(52)と若狭町は1日、町が返還請求した給与について毎月10万円の分割返済とする債務承認弁済契約を締結した。

 町は今年3月、失踪は個人的理由であったとして給料などの一括返還を要求。一方、宮内さん側は分割での返還を希望し、双方が協議していた。町は6月末、町議会全員協議会で分割返還に応じる考えを示した。

 宮内さんは1997年4月に失踪。旧三方町は公務中の事故として国の規定に沿い、同年4月から01年度までの休職期間中、月給と期末・勤勉手当を満額支払った。

 宮内さんによると返還額は2千万円以上で、今月から毎月均等額を支払う。双方の弁護士らは同日、同県敦賀市の公証役場で公正証書を作成。返済が滞れば、町は給与や資産の差し押さえを強制執行できる。

 宮内さんは福井新聞の取材に「人に迷惑をかけずに今後も誠心誠意対応させてほしい」と町や捜索に協力した町民、団体に謝罪した。

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