複数の配管でつながれた系統除染装置=7月13日、福井県美浜町の美浜原発1号機(関西電力提供)

 関西電力は1日、美浜原発1号機(福井県美浜町)の最初の廃炉工程となる「系統除染」作業を開始した。1次冷却水が流れる原子炉容器や配管などの内面に付着した放射性物質を薬品を使って除去する。将来解体する際の作業員の被ばく低減が狙い。関電によると、廃炉に伴う系統除染の実施は国内の加圧水型軽水炉(PWR)で初めて。

 1カ月程度除染を行った後、除染装置を運び出し、同じく廃炉の2号機でも行う。2号機は11月ごろに除染を始める方針で、年度内に終わる予定。

 関電は除染装置について、海外のPWRでの実績からフランス原子力大手アレバの技術を採用。元請け会社に三菱重工業と、アレバが参画する丸紅ユティリティ・サービスの共同企業体を選んだ。

 三菱重工が除染装置の設置や除染作業中の装置の遠隔操作などを担当。アレバドイツ社の技術者が14人体制で指導に当たっている。装置はベルギーから海上輸送し、4月に原発構内に搬入。6月末までに設置や1次系配管とのつなぎ込み作業などを終え、7月に試運転を重ねてきた。

 除染の対象範囲は、原子炉容器や蒸気発生器といった原子炉冷却系統、余熱除去系統など1次冷却水の主要3系統。対象となる1号機の配管長さは約1・4キロ、容量約180立方メートル。2号機は1・7キロ、220立方メートル。

 除染方法は、1次冷却水に過マンガン酸やシュウ酸などの薬品を入れ、系統内を循環させる。配管の内側にはコバルトなどの放射性物質を含んだ酸化被膜が薄くこびりついているため、被膜を溶解させて除染、浄化する。1回の工程を5~7日間続け、サンプルを取って除染状況を確認しながら、4~6回繰り返す計画。

 系統除染により、放射線量は作業前に比べ30分の1程度まで低減させることができるという。作業後は放射能を含んだ廃液が1、2号機合わせて1千立方メートル出る。最終的に低レベル放射性廃棄物として処理するが、「処分場所は未定」(関電)としている。

 2基の廃止措置計画は、4月に原子力規制委員会から認可された。工程を4段階に分け、原発内にたまる使用済み燃料の搬出は2035年度までに完了させ、45年度までに建屋などを解体し廃炉を終える予定。
 

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