獣害対策へのドローン活用に向け、県猟友会が開いた研修会=30日、福井市の賀茂神社駐車場

 福井県猟友会は、獣害対策に小型無人機ドローンの導入を検討している。今秋にも、ニホンジカやイノシシの生息数調査に活用したい考え。29、30の両日、福井市内で会員向けの研修会を初めて開き、実際に操縦して有効性を確認した。

 大型獣による農作物や樹木の被害は年々増加し、県猟友会が昨年度捕獲した頭数は、ニホンジカが約8300頭、イノシシが約9500頭に上る。特に嶺北のニホンジカの生息数が2011年の約1万頭から、15年には約2万7千頭に増加しており、県環境審議会は本年度から、嶺北での年間捕獲目標数をこれまでの3倍の4800頭以上に引き上げた。

 ドローンの効果が期待されるのは生息数調査。現状ではふんの数を調べる「糞塊(ふんかい)密度調査」のデータなどを基に生息数を推計しているが、ドローンを使って直接、個体を撮影することで、より実数に近いデータを得られる。昨年度は岩手、島根両県の猟友会が導入。本年度は福井を含め10府県が活用する予定という。

 研修は、大日本猟友会の委託を受けたインストラクターが指導に当たった。29日はドローンの操作法や使用に関する法律上の制限などを学習。30日は福井市の賀茂神社駐車場で実地研修を行い、3台のドローンを使って参加した会員12人全員が実際に操縦を体験した。上空30メートル付近まで上昇させて前後左右に動かすなど操作性を確認した。

 鳥獣害対策を担当する県や5市町の職員7人も参加。「操作できる人がたくさんいれば、鳥獣害対策に使うのは有効だと感じた」と話していた。

 県猟友会は今後、県外での講習に参加するなどして会員の習熟度を高め、今年秋から冬にかけて生息調査への導入を目指す。

 将来的には、10~20人のハンターで行うシカのグループ狩りで追跡に使ったり、捕獲が難しいサルをドローンの羽根の旋回音で山奥へ追い払うことも検討している。

 県猟友会の会員数は減少傾向にあり、事務局長の松田和博さん(61)は「ドローンを使うことで、若い世代や女性にも猟友会の活動に関心を持ってもらい、会員増にもつなげられれば」と話していた。

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