坂井―敦賀 敦賀打線を2安打完封した坂井先発の吉川大翔=27日、福井県営球場

 【全国高校野球選手権福井大会決勝・坂井3―0敦賀】

 89球で2安打完封。夏の甲子園初出場を決めた大一番の投球は、坂井の吉川大翔らしさが凝縮されていた。「調子は良くなかったが、修正できた。球数を抑えられたのは良かった」。省エネ投法と修正能力の高さを同時に示した。

 2日連投の立ち上がりは「思うように腕が振れなかった」と吉川。一回は球が高めに浮き、2連打で1死一、二塁とされたが、投ゴロ併殺で窮地を切り抜けた。

 「投げるときに体が前に突っ込み気味だった。重心を後ろに置いたら、自分のボールが行きだした」。三回以降は毎回の三者凡退。五回の3アウトは全て内野ゴロだった。捕手石川雅晴の構え通り、低めの直球、変化球で凡打を量産する“吉川劇場”が続いた。

 昨夏はメンタル面の甘さから、ベンチを外れた。新チームでエースになり、昨秋の県大会準優勝、今春は4強に入ったが、「どこか不安があった」と吉川。転機は今大会の1回戦だった。

 昨夏代表の北陸を相手に何度もピンチをしのぎ、1失点完投。サヨナラ勝ちを呼び込み、「自信がついた」と振り返る。

 今大会5試合で547球を投げ抜き、最後に2試合連続完封。九回に自己最速の138キロをマークし、さらなる伸びしろを感じさせた。

 胴上げ投手となり、「目標は全国制覇だが、一戦一戦勝っていきたい」ときっぱり。「もう一つギアを上げられる」(川村忠義監督)という左腕の甲子園マウンドが見ものだ。

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