甲子園出場を決め、川村忠義監督を胴上げして喜ぶ坂井ナイン=27日、福井県営球場

 【全国高校野球選手権福井大会決勝・坂井3―0敦賀】

 福井県立坂井高校のコツコツ野球が、夏の甲子園出場という重かった歴史の扉をこじ開けた。1回戦から厳しい試合の連続だったが、接戦やピンチ、要所で逃げずに勝負強さを発揮。悲願の初出場を決め、川村忠義監督は「(選手時代も含め)あと一歩で出場を逃し、悔し涙を流してきたので決まって本当にうれしい。最高の教え子たちだ」と目頭を押さえた。

 飛び抜けた強打も派手なプレーもない。「打てないのは分かっている。全員で1点ずつ積み重ねて、守り勝つしかない」と吉田温郎。一回に1点を先制し、二回の攻撃で坂井らしさが出た。

 1死三塁で1番吉田が追い込まれながら、5球目をしぶとく食らいつき、二塁内野安打。当たりは良くなくても、貴重な2点目を挙げた。「(エース)吉川(大翔)のためにも1点でも多く取って、楽にさせたかった」。頼りになる主将は笑顔とうれし涙だった。

 守っては松浦光輝、吉田の二遊間が堅実なプレーでエースを支えた。特に二塁手の松浦は七つのゴロをきっちりとさばいた。「自分たちが守ることで吉川のリズムもテンポも良くなる。常に『打たせてこい』と声をかけていた」。チームのまとめ役は新たな歴史をつくり、誇らしげだ。

 統合前の春江工業が2013年春の選抜大会に出場。当時の活躍を見て、坂井に入学した選手も少なくない。「甲子園でも自分たちらしく全力でプレーする」と吉田。激戦を勝ち抜いた自信を胸に、聖地で新たな「オレンジ旋風」を吹かせるつもりだ。

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