「国政の課題と展望」と題し講演する石破茂氏=26日、福井新聞社

 福井新聞政経懇話会の第430回7月例会が26日、福井新聞社・風の森ホールで開かれた。前地方創生担当相の石破茂衆院議員が「国政の課題と展望」と題して講演し、学校法人「加計(かけ)学園」による獣医学部新設計画を巡る問題について「行政が公平公正だったのか、という信頼の問題に関わる」と指摘した。「条件を満たしていれば、首相と親しくても(新設を)認めなくてはおかしい。このことを国民に理解、納得してもらうことが大事」とし、政府・与党は丁寧に説明責任を果たしていく必要があると述べた。

 講演後の質疑で、3日にも行われる内閣改造への対応について「人知れずに努力してきた人を内閣に入れていくことが重要」とし、派閥や期別にこだわらない内閣改造が必要との認識を示した。来秋予定の自民党総裁選出馬に関しては「自分のことは差し控える」と述べるにとどめた。

 講演の要旨は次の通り。

 一、「加計学園」獣医学部新設の本質は簡単だ。新しい学部をつくっても獣医師の需給バランスに影響がないことなど四つの閣議決定した条件がある。条件を満たしているなら、首相と親しくても認めないといけない。満たしていなければ絶対に認めてはならない。学校法人「森友学園」を巡る問題も同じ構図だ。

 一、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を巡る問題については、記録をきちんと残すのは当たり前のこと。その記録をどう公開するのか、手続きに問題がなかったのかを国民に明らかにすることが絶対に必要だ。

 一、この国の最大の問題は人口が激減すること。このままの出生率、死亡率が続けば約80年後に日本の人口は半分になり、200年後には10分の1になる。これは静かなる有事だ。東京一極集中という現在の在り方を根本から変えないといけない。食料やエネルギーを作って出生率が高い地方が滅び、出生率が全国最低の東京だけが生き残ることは避けなくてはならない。

 一、日本海側は新幹線も高速道路もつながっていない。災害時の代替路線確保の観点からも「ミッシングリンク」(未整備区間)を解消する公共事業は必要だ。

 一、観光で重要なのは四季がはっきりし、豊かな自然や歴史、食があること。福井にはそれがいっぱいある。福井にしかない「ここだけ」のものもある。えちぜん鉄道は、サービス産業の原点に立ち返り、アテンダント(客室乗務員)の細やかな対応が好評を得ている。JR九州の豪華寝台特急「ななつ星」もそうだが、どうやったら喜んでもらえるのかを徹底的に考えると人は集まる。

 
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