福井商業―坂井 散発5安打で完封した坂井の先発吉川大翔=福井県営球場

 【全国高校野球選手権福井大会準決勝・坂井2―0福井商業】

 成長した左腕が福井商業の壁を越えた。坂井のエース吉川大翔は、持ち味の打たせて取る投球で5安打完封。「相手は粘り強いチーム。気を抜かず、低めにコントロールできた」。納得の117球だった。

 中1日で今大会4試合目の先発。疲れはあったが、打線が好投手の石本太一から三回までに2点を先制した。吉川は切れのある直球、変化球を低めに集め、「バックを信じて打たせて取った」。27アウトのうち、3犠打を含め内野ゴロで18個のアウトを取った。

 リズムの良い投球は、好守も引き出した。六回1死二塁で石本に中前へ運ばれたが、中堅手の牧野大和がノーバウンド返球。二塁走者を本塁でタッチアウトにした。4番として適時打を放ち、攻守に吉川を助けた牧野は「これが自分たちの勝ち方」と胸を張った。

 福井商業と対戦した昨秋の県大会決勝は0―2で石本に完封負け。身長180センチの吉川は走り込み、投げ込み以外に、食事で丼飯3杯、学校では休み時間ごとにおにぎりを食べるなどして体重を66キロから73キロに増やし、球の切れ、制球力ともに磨きがかかった。

 「福商を破らないと甲子園はない。大きな山だった」と福井商業OBの川村忠義監督。その宿敵に昨秋と逆のスコアで雪辱した。夏の甲子園初出場まであと一つ。「決勝も気を抜かずに攻めの投球をする」。進化した左腕が坂井の新たな歴史を切り開く。

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