腰椎椎間板ヘルニアの内視鏡下手術イメージ

 福井県立病院(福井市)は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症など、脊椎疾患の内視鏡下手術の実績を積んでいる。傷口が小さく、痛みも少ないため早期退院が可能になる。2005年の導入以降、600件以上の手術を行った。そのうち約半数を占める腰椎椎間板ヘルニアの内視鏡下手術は、現在ではこの病気の治療の主流になっており、早期の職場復帰やスポーツ復帰につなげている。

 内視鏡下手術は傷口が約2センチ程度と小さく、患者の体への負担が少ないのが特長。筋肉への影響も少なく回復も早い。外来受診時に画像検査、診断をし、2~3週間後に施術する。重度のまひ、排尿障害のある患者は例外的に1~3日以内に手術をする。

 腰椎椎間板ヘルニアの場合、術後の入院期間は5~7日。職場復帰は、メスを入れるなどの従来法では6~8週間かかっていたが、3~4週間でできるという。

 県内唯一の日本整形外科学会の脊椎内視鏡下手術・技術認定医である同病院の上田康博整形外科医長は「従来法は出血や痛みのため、数日間は安静が必要だった。内視鏡下手術は痛みが少なく、早期のリハビリが可能で、術後の合併症も抑えられる」と話す。同病院では腰椎すべり症、頸椎(けいつい)や胸椎の疾患にも応用している。

 体への負担が少ないため、従来の手術がためらわれた高齢者や心肺疾患を抱える患者らも手術が受けやすくなった。手足にしびれ、脱力感があり、書字やボタン掛けがうまくできなくなっていた80代の頸椎症性脊髄症の患者は、術後2日目から歩行器による歩行訓練を始め、7日目には1人歩きが可能に。従来なら約3週間かかるところ、12日目に退院できたという。

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