県立大生物資源学部の海洋生物資源学科、横山芳博准教授は二十四日、同教授らの研究グループが試薬などに使われるタンパク質の一種「レクチン」を大型クラゲ(エチゼンクラゲ)から抽出、精製することに成功したことを明らかにした。実用化に向け課題もあるとしているが、”海の厄介者”といわれている同クラゲの有効利用策の一つとして注目される。

 横山准教授によると、レクチンは、特定の糖や糖タンパク質に反応し結合するタンパク質の一種で、試薬や診断薬などとして商品化されている。植物性は一ミリグラム当たり約三千円、動物性は数万円で流通。不安定で抽出するのが難しく、海洋物から抽出する研究はほとんど進んでいないという。

 同グループは、大型クラゲのかさなどをすりつぶし遠心分離装置にかけて液を取り出し、さらに水分をろ過しレクチンを抽出。このレクチンは赤血球を利用した実験で、複雑な糖を認識する独特の構造を持ち特異性が強いことを解明した。横山准教授は「実験試薬やがん細胞を認識する診断薬、治療薬などとして実用化できる可能性がある」としている。

 大型クラゲからは、総重量の1・6%のレクチンを抽出できるとしているが、抽出コストの面で採算性がとれるかなど、実用化に向け課題もあるという。