大野市東勝原で発掘された鳥脚類恐竜の歯の化石=20日、大野市役所

発見された化石の恐竜に近いとされるイグアノドン(大野市教委提供、山本匠さん作画)

 福井県大野市は20日、同市東勝原に分布する約1億3千万年前(白亜紀前期)の手取層群伊月(いつき)層から、鳥脚類恐竜の歯の化石1点が見つかったと発表した。伊月層は恐竜化石を含む地層としては国内最古級。同市ではこれまで和泉地区の伊月層で恐竜の足跡や歯化石が見つかっており、化石発掘の“舞台”が広がった。

 大野市教委の学芸員が昨年7月に化石を発見、福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)に同定を依頼した。化石は高さ約10ミリ、幅約6ミリ、厚さ約3ミリ。かみ合わせが平らなことや、歯冠部に数本の稜(りょう)の発達がみられるといった特徴から草食の鳥脚類恐竜のものとみられ、イグアノドン類の可能性が高いと判断した。


 化石の一部が欠損しているため、種類の特定には至っていない。標本が小さく全長の推定も難しいが、イグアノドンの一般的な大きさは約7、8メートルという。


 勝山市の手取層群北谷層(約1億2千万年前)ではフクイサウルスやコシサウルスといったイグアノドン類の化石が見つかっており、今後さらに伊月層での発掘が進めば進化の研究につながることも期待される。


 和泉地区では1989年以降、イグアノドン類の歯化石2点、別の恐竜の歯化石2点、足跡化石3点が見つかっている。今回は同地区以外での初めての発見となり、岡田高大大野市長は会見で「今後も恐竜や地層の研究をしっかりと進めていきたいと新たに思っている」と意欲を示した。


 福井県立恐竜博物館の東洋一特別館長は「伊月層の化石は恐竜が日本で生活し始めた頃を知る手掛かりとなる。(伊月層、北谷層がそれぞれある)大野、勝山両市の恐竜を合わせて初めて福井県の恐竜を語ることができ、今回の発見は大きな意義がある」と述べ、新たな化石の発見を期待した。


 化石は21日から、大野市朝日の和泉郷土資料館の企画展で展示する。


 【手取層群伊月層】約1億3千万年前の白亜紀前期の地層。砂岩と泥岩から成り、福井県東部の九頭竜川上流域に広がる。淡水域や海水が混じる汽水域など、さまざまな自然環境下で形成されたのが特徴とされ、化石を含む地層では国内最古級。石川県白山市に広がる桑島層も同じ時代に堆積したとされている。

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