ヤマウチマテックスが提供しているチタン製のベベルギア。少しでも軽量化するため、両側のギアの不要な歯は取り除かれている

ハクトの月面探査車。ベベルギアは機体内部にあり、車軸をつないでいる(ハクト提供)

 民間初の月面探査を目指す国際コンテストに臨む日本チーム「HAKUTO(ハクト)」の探査車に、非鉄鋼金属など製造販売のヤマウチマテックス(本社福井市問屋町2丁目、山内隆嗣社長)が作ったチタン製のギアが使われている。探査車の安定走行に関わる重要な部品で、高い金属加工技術を駆使して軽量化を実現した。探査車を載せたロケットは12月に打ち上げられる予定。同社の社員は「自分たちの作った部品が月に行くのは夢のある話。優勝してほしい」とハクトの活躍を願っている。

 コンテスト「グーグル・ルナXプライズ」は、米国のXプライズ財団が運営し、米IT大手グーグルが出資する。優勝賞金は破格の2千万ドル(約22億4千万円)で、民間の宇宙開発を促す目的がある。月面に着陸後、500メートル以上移動し、高解像度の動画や画像を地球に最も早く送ったチームが優勝するルール。ハクトのほかにインド、イスラエル、米国、多国籍の計5チームが参加する。

 ハクトの探査車は全長58センチ、重さ4キロ。昼夜の温度差が250度以上という過酷な月面環境に耐えるため、最新鋭の技術を結集した。ヤマウチマテックスが提供しているのは、軽量で丈夫な64チタン合金を使った「ベベルギア(傘歯車)」。直径3センチ、重さ6グラムで、探査車内部に組み込まれて車軸をつないでいる。3個一組で、左右のホイールのバランスを取るなど重要な役割を担う。

 ハクトの取り組みに興味を持った同社営業部マネージャーの福岡道孝さんが昨年6月、プロジェクトに参加したいと持ち掛けたことが開発のきっかけとなった。ハクト側は同社の金属加工技術を評価し、ギアの製作を依頼した。

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