琵琶湖若狭湾快速鉄道(リゾート新線)

 嶺南広域行政組合(福井県)の管理者である松崎晃治小浜市長は9日、若狭と滋賀県湖北を結ぶ「琵琶湖若狭湾快速鉄道」(リゾート新線)の建設促進運動を中止することを明らかにした。建設費に充てる基金への積み立ては各市町とも新年度からストップ。今後の焦点となる31億円超の残高の使い道については、別に約50億円を積み立ててきた県も交え、年内に結論を出す方向で協議する。

 松崎市長は同日開かれた市議会全員協議会で「北陸新幹線小浜・京都ルートが決定し、嶺南地域と関西圏を結ぶ新線の目的の大半が達成される。今後は北陸新幹線の早期全線開業に力を注ぐことが肝要」と説明。組合を組織する嶺南全6市町の首長らが出席した管理者会で、合意に至ったことを明らかにした。

 組合が管理・運用している「嶺南鉄道整備促進基金」に対し、同市は本年度分を減額補正する予算案を3月定例市議会に提出する。さらに2017年度当初予算案には、基金負担金を計上しない。

 約31億円に上るリゾート新線分の基金残高について市側は「嶺南地域振興と各市町の振興に役立てる方向で協議する」と説明した。

 全協後の取材に松崎市長は「県にも合意事項を伝えて了承を得た」と語った。滋賀県高島市にも意向を伝えたほか、期成同盟会などの団体の解散や啓発看板の撤去を進める方針も示した。

 ただ20年以上続いてきた促進運動に対し、小浜市議から厳しい指摘が相次いだ。全協で市側は、北陸新幹線以外の理由に▽財源確保のめどが立っていない▽運営主体が決まっていない▽滋賀県側の理解が進んでいない—などを挙げたが、「地元で運動してきた団体などに丁寧に説明し、しっかりとした終わり方をするべき」「国家プロジェクトと地域鉄道は別だという主張だったはず。運動の検証が必要だ」などの意見が出た。

 リゾート新線はJR小浜線・上中駅と湖西線・近江今津駅の全長19・8キロを結ぶもので、02年時点の概算事業費は424億円。1992年に嶺南8市町村(当時)が建設促進期成同盟会を設立し事業化を目指してきた。

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