新幹線敦賀駅の乗り換え利便性の検討イメージ

 北陸新幹線敦賀開業を6年後に控える中、新幹線敦賀駅の構造が在来線の乗り換え利便性の検討で決まらず、駅前広場などを整備する福井県敦賀市が「開業までに整備が間に合わない」と危機感を強め、早期の結論を国に求めている。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会が議論中で、新幹線ホームの下に在来線特急ホームをつくる「上下乗り換え」などを基本に旅客の動き方をシミュレーション調査している段階だ。

 ◆検討委の議論停滞

 新幹線敦賀駅を巡っては2012年の金沢—敦賀認可当初、レール幅の広い新幹線と狭い在来線を直通運転できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を導入し、敦賀−大阪は乗り換えなしとする計画だった。

 だが敦賀開業時のFGT導入が困難な見通しの上、新幹線敦賀駅と併設の在来線駅(現JR敦賀駅)とのホーム間の距離が約200メートル離れ、高低差も20メートル強あるため、旅客移動の負担軽減策が課題となっている。

 与党PTの検討委はこれまでの議論で、新幹線駅のホームの下に在来線特急用のホームを新設しエレベーターなどで上下乗り換えとし、さらに新幹線駅と在来線駅を結ぶ連絡通路に「動く歩道(ムービングウオーク)」を設置する案を、15年8月の報告書で提示。政府・与党で詳細な検討が必要とした。

 しかしその後、検討委は昨年4月に敦賀市から要望を聞いたり、7月に現地視察したりしたが、議論は停滞。現在は、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行っている旅客流動シミュレーションの調査結果を待って詳細検討する、というスタンスだ。

 ◆財源問題も

 鉄道・運輸機構によると、旅客流動シミュレーションは、上下乗り換えと動く歩道がそれぞれ、ある場合、ない場合を想定して旅客の動き方や移動時間を調査。「上下乗り換えや動く歩道に非常に優位な結果が出れば整備効果があるといえる」(新幹線第二課)という。
 石井啓一国土交通相は今月9日に来県した際、旅客流動シミュレーションについて「本年度中に結果を取りまとめ、それを踏まえ与党と相談しながら検討する」と述べた。

 ただ、シミュレーション結果が出ても、上下乗り換えなどの結論がスムーズに決まるかは不透明だ。新幹線敦賀駅に関連する認可はFGT導入が前提になっており、上下乗り換えにする場合は認可を変更しなければならない。また国交省は「変更するには予算を確保しないといけない。与党PTの議論が必要」(施設課)と財源議論が不可欠とする。上下乗り換えの整備には100億円以上かかるとみる関係者もいる。

 ◆工程会議を設置

 敦賀市は新幹線敦賀駅東側に整備する駅前広場の年度内の都市計画決定を目指しているが、「上下乗り換えなどの駅構造の詳細が決まらないと、進まない」(新幹線整備課)と頭を抱える。

 23年春の敦賀開業時に整備が間に合わないとの危機感も持っており、市は昨年12月末に県、鉄道・運輸機構、JR西日本の現場責任者と駅周辺整備の工程会議を設けた。

 渕上隆信市長は今月4日の記者会見で、上下乗り換えなど駅構造の検討に関し「新幹線敦賀駅の設計や建設を控え、時間がない。できる限り早く結論を出してもらいたい」と述べた。年度内の結論を望んでおり、与党PTの議論を注視している。

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