県道路肩の砂利道に横転したバス=13日午前10時25分ごろ、福井県あわら市

 フロントガラスが外れ、窓ガラスは砕け散った。ツアー客を乗せたバスは、福井県道脇で無残な姿となった。幸い全員、命に別条はなかったが、旅行終盤の突然の暗転に「一体なぜこんなことに」と色を失っていた。

 「一瞬の出来事だった」。左側の後ろから3列目に座っていた山崎鶴晃さん(74)=千葉県=は振り返った。事故当時、旅行の思い出を忘れないようメモをしていたときに突然の衝撃。「気付いたらバスが横転し、体の上に別の参加者が重なっていた」。妻(66)は左肩を負傷した。

 「何が起こったのか分からなかった」と話すのは、左側の前から2列目に座っていた男性(80)。「バスが道を外れ、車内が傾いたと思ったら、横転して止まった。おかしいと思う暇もなかった」と続けた。

 現場はほぼ直線道路。両膝を打撲した横浜市の女性(68)は「道がやや狭いと思ったが、どうして事故が起きたのか、としかいいようがない」と憤った。

 複数の乗客によると、シートベルトを着用していない人も少なくなかったという。嶋田早苗さん(68)=東京都=は「軽傷が多く、とりあえずほっとしている。ただ、事故現場が山道で、道路脇との落差が大きかったら、と思うと怖い」と表情を曇らせた。

 ×  ×  ×

 13日午前9時5分ごろ、福井県あわら市細呂木の県道で、同市の長谷川旅館の宿泊客を乗せた大型バス(定員42人)が横転、乗客乗員21人全員が病院に搬送された。このうち、乗客2人が左肋骨を折る重傷、運転者と乗客18人が軽傷を負った。

関連記事
あわせて読みたい