スマホの普及やカメラの性能向上を背景に、福井県内で盗撮事件の摘発が増えている(写真はイメージ)

 福井県内で盗撮事件の摘発が増えている。県警によると今年は5月末までに16件を摘発、昨年1年間の5件を大きく超え、過去5年で最も多かった2014年の22件を上回るペースとなっている。スマートフォンの普及やカメラの性能向上が背景にあり、県警は迷惑行為に対する規制強化を検討している。

 福井市で東京ディズニーリゾートのキャラクターによるパレードがあった4月23日、妻と訪れた坂井市の60代男性は、通りを埋めた観衆の中に、女性2人の後ろを付きまとう不審な男を見つけた。男の動きを注視していると「片手に持ったかばんを女の子に押しつけ、もう片方の手に持った携帯電話の画面に女の子のお尻が写っていた」。盗撮していると確信して取り押さえ、駆け付けた警察官に引き渡した。

 逮捕された50代の男が盗撮に使っていたのは、無線機能が付いた小型のウエアラブルカメラ。手提げかばんの外ポケットに入れ、女性のスカートに押し付けて盗撮、無線を使ってスマホにデータを送り、その場で確認していた。男は公判で、小型カメラを「盗撮目的で買った」と供述。パレード中、ほかに15人を盗撮したと認めた。

 昨年から今年にかけて、福井市内の量販店や飲食店、コンビニで盗撮を繰り返した30代の男は、盗撮に気付かれないようスマホを動画撮影状態にし、スカートの下に差し入れていた。県迷惑防止条例違反の罪で略式起訴され、罰金刑となった。この男は「盗撮を1年ほど前から20件以上繰り返した」と話したという。

 県内では、スマホのシャッター消音アプリを悪用、公衆トイレで個室の仕切り板と床の隙間にスマホを差し入れ、無音シャッターで女性の尻を写す盗撮を繰り返したケースもあった。

 盗撮の取り締まり強化に向け、全国では迷惑防止条例を改正する動きが広がっている。これまでの規制は、道路や公園など「公共の場所」や、電車など「公共の乗り物」での盗撮を禁じていたが、改正後は会社事業所や学校の教室などにも拡大。さらに、盗撮目的でカメラを人に向けたり、カメラを設置することも規制の対象としている。富山県議会も6月議会で県迷惑防止条例改正案を可決、9月に施行される。

 福井県警も規制の強化を検討しており、岡田治和生活安全部長は、4日開かれた県議会土木警察常任委員会で「方針、方向性がまとまれば、県民から意見を聞きたい」と述べた。

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