ADHDについて研究成果を発表する福井大の水野賀史特命助教(左)と友田明美教授=10日、福井県永平寺町の同大松岡キャンパス

 気が散りやすく、落ち着きがないなど行動の障害がみられる注意欠陥多動性障害(ADHD)について、福井大子どものこころの発達研究センターは10日、遺伝子の型の違いと脳の一部の神経回路の異常が影響していることが分かったと発表した。磁気共鳴画像装置(MRI)の脳画像データなどから突き止めた。

 現在は症状によって診断されているADHDが、遺伝子や脳機能などに基づき診断、治療につながる可能性がある成果という。

 福井大や大阪大など国内5大学が連携する発達障害研究の大学院の院生で、福井大医学部附属病院子どものこころ診療部の水野賀史(よしふみ)特命助教、福井大子どものこころの発達研究センターの友田明美教授らによる共同研究。7日付の英国科学雑誌に掲載された。

 ADHDは、衝動を抑制したり、計画を立てたりする「実行機能」能力の障害が主な要因の一つとされている。実行機能は大脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)と小脳間の神経回路が関与していることは分かっていたが、ADHDの場合、この神経回路に異常があるかどうかは確認されていなかった。

 研究チームは、磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影した7~14歳の複数の健常児とADHD児の脳画像を比較。ADHD児は、この神経回路の機能的な結合が健常児に比べて弱く、結合の度合いは遺伝子の型によって差が生じていることが分かった。水野特命助教は「ADHDの脳画像の研究を進め、一人一人の原因に応じた治療につなげていきたい」と話している。

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