生産が進む大小さまざまなタイプの蚊帳=福井市下東郷町のタナカ

 夏本番を前に、虫よけとして昔から使われている蚊帳の出荷が、福井市下東郷町のメーカー「タナカ」で続いている。同社は生地製造、裁断、縫製、パーツ生産、組み立てを一貫して行う国内唯一のメーカーで、国内シェア9割。同社は「日本の蚊帳文化をしっかりと受け継いでいきたい」と作業を進めている。

 同社では、昔ながらの大蚊帳のほか、ベビーベッド用、料理を覆う食卓用など、大小さまざまな約20種類を生産。毎年3~5月に全国の量販店、ホームセンター向けに出荷のピークを迎え、夏前はインターネット通販などを通じた個人注文の対応で忙しくなる。10日は、女性スタッフがレースの生地をミシンで丁寧に縫い合わせる作業に追われていた。

 同社によると、東日本大震災以降は節電志向の高まりであらためて蚊帳の価値が見直されている。近年は、エアコンの風が苦手な高齢者からの注文も増えている。田中源美社長(75)は「うちが生産をやめたら、日本古来の伝統文化が一つなくなってしまうという思いで仕事をしています」と話している。

関連記事
あわせて読みたい