◆梅の季節


 今年も寺の山から梅がどっさりとやってきました。いつも、まさにどっさりとやってきたという思いなのです。今年は、総量20キロにはなると思います。梅干しは、クエン酸が多く、殺菌作用、血液浄化、疲労回復、食欲増進、胃腸障害、老化防止、美容、マンガンが多いので情緒安定、公害物を体外に排出など、その驚くべき薬効は計り知れないといわれているのです。


 今年は、養生食としての梅干しの効用や、必要性を目の当たりにした、家族の看護にあたっておられるまだ若い娘さんは、それまでには作ったことのない梅干しを家族のために作りたいので教えてほしいといわれるのです。自然食品としても梅干しや味噌は古いものほど時間を重ね、バクテリアや酵素の働きや腸の吸収率が強められるので、弱い人は古いものを食べると丈夫になるといわれているのです。(『薬草の自然療法』―池田書店、『手作り食品』、『あなたと健康』6月号-あなたと健康社より)


 古いものはこれまでに私の作ったものがあるので、それを使ってもらえばいいので、まずは自分で作ってみることが肝要だと思われました。 

 

 笠地蔵の話ではないのですが、車庫でどっさっという音がするので、出てみると山からもいで来たばかりの枝葉交じり梅が大きめの箱に入って置かれてありました。今年は、必要としている人がいるのであげたいので、ほかへあげてしまう前に届けてほしいことを連絡しておいたのです。中を見ると、梅干しにはまだ早めの青い梅が入っておりました。これは梅シロップか、梅酒には良い梅です。


 連絡してみると、‘梅酒も作ってみたい’と言われ、勤めの帰りに取りに来られました。若い人ながら家族のためによくやられるなあといつも感心させられているのです。忙しいながらも行動も早く、ネットの利用もとても上手です。これまでずっと闘病中の家族の食事療法としての食事作りも責任をもって当たってこられているだけあって、作り方の要点や大事なポイントを話すだけで、呑み込みも早く、自分で調べて、すぐに漬け込まれたということでした。


 それから何日か後に、また今度は梅干し用に少し黄色く色づき始めた梅が届きました。いつもであればその量の多さに於いて ヒャー!と思うところです。これまで我が家でも梅干しはなければならないものですが、塩の種類や塩加減も減塩ではなく薬効を意識して作るものですから、幾分酸っぱくて、塩気もそれなりにあるものですから一度にはそうたくさんは食べられません。せいぜいおにぎりに入れたり、使うことは限られていたのです。でもせっかく生(な)って、届いた梅ですから、もったいないことは出来ません。漬けてさえおけばいつか何とかなるという思いで漬けてきたのです。しかし、今回は自分が病んで、初めて梅干しの効用と必要性を我身を通しても間近に感じる毎日なのです。


 それでも、毎日の食事において、梅干し一個をそのまま食べることは今でもなかなかできませんが、一種の調味料としてペースト状(・・・・・)にして卓上に置き、そうめんのつゆにいれたり、納豆やサラダの調味料の一つとして混ぜたりなど、いろいろな料理に頻繁に使っていますので、今ではなくてはならない食品となっています。そして、これまで作っておいた梅干しが、人様にこんなに喜ばれたり、役立つ時もあることも知ったのです。

 

 ですから、今回届けられた梅は、天からの賜り物で、その始末は私に課せられた仕事と思われ、生かして使わせていただかなくてはという思いでした。色づいた梅は急がなくてはなりません。また連絡をすると勤めの帰りに寄られて自分で漬けられる量の梅を持って帰られました。漬け込みは週末でないとできないと言っておられましたが、量的にもそれほど多くはなかったので、梅は待ってくれないので、‘夜なべをしてでも今日にしてしまった方がいいと思う’ とアドバイスしておきました。

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