北陸新幹線金沢ー敦賀 福井県内区間の工事状況

 2023年春の敦賀開業に向け、福井県内で進められている北陸新幹線の工事着手率(工事契約率)が5日現在で88%になった。入札の不調・不落が相次いだため、16年度末までの全区間着手の目標は達成できず、100%は今夏以降にずれ込む見通し。同じく16年度末までの完了を目指していた用地取得も遅れ、今後取得確実な分を含めて6月20日時点で92%となっている。県新幹線建設推進課は「現場で実際の工事に取りかかるまでの時間を短縮し、開業に影響が出ないようにする」と強調している。

 福井県内の建設工事は39工区で進められている。新北陸トンネル(南越前町―敦賀市)、道路上の福井高柳高架橋(福井市)、県道と一体的に整備する九頭竜川橋(同)など32工区の発注が完了した。08年度に完成した福井駅部(同)の1工区を含めると県内区間76・1キロのうち66・6キロで工事に着手したことになる。

 敦賀車両基地(敦賀市)など残る6工区は、いったんは建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発注。しかし、入札で業者が応札しない不調、入札価格が予定価格を上回る不落が続いている。

 要因について、鉄道・運輸機構は「発注に関することは答えられない」とする。ただ、北海道などほかの新幹線建設工事でも不調・不落はあり、県幹部は「東京五輪などで全国的に公共事業が好調。そちらに流れている可能性はあるだろう」と推察する。

 残る工区では、業者が受注しやすいよう業務量を減らすため、工区を分割して発注するなどの対策が取られる見込み。県新幹線建設推進課は「鉄道・運輸機構は何らかの対策を講じるはず。順調なら、この夏にも着手率は100%になる」と説明する。

 一方、県内区間の新幹線用地は、85・3ヘクタールのうち72・2ヘクタールを取得した。取得率は85%となり、えちぜん鉄道が仮線運行する福井市内の用地など今後取得が確実な分を含めると県全体で9割を超える。

 見込み分を含む取得率が最も高いのは福井市の99%で、最も低いのは坂井市の63%。坂井市は田園地帯が中心で同課は「集落単位で交渉するので時間がかかる。特別遅れているのではない」とする。

 新幹線事業は高架橋などの建設に約3年、その後の軌道・電気工事と試運転に約3年かかるとされている。このため、県は敦賀開業まで6年間の猶予を確保できる16年度末までの100%工事着手と用地取得完了を目指していた。

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