管理を託された澤田教一の写真を手にする廣部さん=3日、鯖江市御幸町2丁目のあすなろ保育園

 福井県鯖江市と鯖江市教委は、ベトナム戦争の写真でピュリツァー賞を受賞した青森市出身の戦場カメラマン澤田教一(1936~70年)の写真展を29日から、鯖江市まなべの館で開く。写真を提供したのは遺族から管理を託されている廣部和夫さん(69)=同市東鳥羽町。同賞受賞作を含む約100点が並ぶ予定で、「世界でテロや紛争が絶えない中、戦争の恐ろしさを子どもたちに伝えたい」と平和を願う心が広がることを期待している。

 澤田は、通信社特派員として65年にベトナムに渡り従軍取材をした。戦場の悲惨さを捉えた写真は世界的な評価を集め、66年に報道写真部門で同賞に選ばれた。70年にカンボジアで何者かに狙撃され死亡した。

 あすなろ保育園(鯖江市御幸町2丁目)の園長を務める廣部さんも青森市出身で、澤田の弟偉治雄さんとは中学、高校の同級生。12年前、同保育園で展示会を開くため写真を借り受けた際、写真の管理に困っていた澤田の妻サタさんから400枚を託され保管している。

 今回の展示会は市と市教委が澤田の作品の存在を広く知ってもらおうと、廣部さんに打診し開催が決まった。約100枚を選抜して出展する。

 ピュリツァー賞受賞作の「安全への逃避」は銃弾を避けながら川を渡る母子2組を撮影した写真で、子どもを必死で守ろうする母親の表情が胸を打つ。また、戦車にひもでつながれ連行される捕虜や銃におびえた表情を見せる子どもの写真など戦争の生々しい光景が並ぶ。

 多くの子どもたちに見てもらいたいとの思いから入場無料とし、展示期間も夏休み期間中の8月31日まで約1カ月間に設定した。6月にサタさんに会い、展示することを快諾してもらったという廣部さんは「中には子どもが目を背けたくなる写真があるかもしれない。でも、親とその写真について話し合い、命の貴さを学ぶきっかけになれば」と願っている。

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