関西電力大飯原発3、4号機=福井県おおい町

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟控訴審の口頭弁論が5日、名古屋高裁金沢支部であった。内藤正之裁判長は、住民側が行った7人の証人申請を却下、近く結審する方針を示したが、住民側は不服とし、内藤裁判長ら裁判官3人の交代を求める忌避を申し立てた。申し立てに対する決定が確定するまで、控訴審の手続きは停止する。

 住民側の意見陳述で島田広弁護団長(福井弁護士会)は、前原子力規制委員長代理の島崎邦彦東京大名誉教授(地震学)が4月の証人尋問で基準地震動(耐震設計の目安とする揺れ)が過小評価されていると指摘したことに言及し、「問題点を解明せずに審理を終結するべきではない」と主張。新規制基準に基づく審査が不十分であることを検証するため、東京大地震研究所の纐纈一起(こうけつかずき)教授(地震学)らの証人尋問が不可欠だと強調した。

 一方関電側は、島崎氏の指摘について「詳細な地質調査を実施しており、科学的合理性に欠ける」と反論。今回の弁論までで「主張や立証を尽くした」とした。科学的知見は意見書などで十分主張が可能だとし「住民側の証人尋問は不要」と述べ、裁判所に迅速な訴訟進行を求めた。

 双方の意見に対し、内藤裁判長は「一審は2年近く審理し、控訴審は3年近く審理した」と述べ、判断材料は十分収集できたとし、住民側の証人申請を却下。住民側の河合弘之弁護士(東京)は即座に裁判官の忌避を申し立てた。

 一審の福井地裁は2014年5月、運転差し止めを命じ、関電などが控訴した。

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