各季節の旬の酒のラベル

■感銘受けた福井の「酒」と「魚」


 福井県は私にとって日本酒の故郷になる。黒龍酒造「石田屋」と加藤吉平商店「梵 超吟」との出会いは奥深き日本酒の世界への導きであった。衝撃的な香りと味は今も脳裏から離れない。

 日本酒とは何か?を見極める為に酒造りの現場へ立ち、蔵人として修業に就いた。その酒蔵も福井市内にある常山酒造であった。2週間と短時間であったが、居酒屋の親父では時間に限界がある。南部杜氏「畠山勝美」さんに密着し質問攻めの毎日だった。そして、次なるスキルアップの為に全国へ酒修業に、旅立ちのスタート地点になった。

 2005年3月、福井市片町に寿司と魚料理店を出店する為に再び福井の地に戻る事になった。今でも何故、東京から福井で出店なのかと、お客様に聞かれる。「越前・若狭の魚が、新鮮で美味しい」からと答える。

 何故、美味しいかは【筆者より一言】で申し上げているとおり、鮮度であり鮮度の良いうちに内臓を取り除き腐敗させないようにする。鮮度の良い魚は生臭くは無い。魚や野菜など生鮮素材には旬や季節があり、個々の旬や季節を楽しむ事が美味しさを追求する基本である。

■季節ごとに楽しめる日本酒


 日本酒にも旬があり季節がある。12月末頃から1月にかけ「初しぼり」「金粉入り酒」「にごり酒」等が正月用の御屠蘇として販売される。杜氏さんが10月半ば頃から酒蔵に入り酒造りをする。仕込まれた酒は、その年の最初に搾る酒となる。これらの酒は家族や友人と飲み交わし、平和と幸せを感じる「季節」の酒といえる。

 2月頃から6月にかけ「しぼりたて生酒」「新酒」のラベルが目立ち始め、この頃の生酒は炭酸ガスが口の中で弾け、刺激感とフレッシュな香りが楽しめる。日本酒が一番力強く味の主張をする時で、それらの主張を楽しむ「旬」の酒になる。