福井県内の運転免許返納者数

 福井県警察本部(県警)は3日、運転免許証の返納率を高めるため、自主返納手続きを家族らが代行できる新制度を始める。免許証に代わる身分証となる「運転経歴証明書」の交付申請と受け取りも代行を認める。県警は「運転に不安がある高齢者らの返納が増え、事故減につながれば」と期待している。

 免許返納はこれまで、本人が県内4カ所の運転者教育センターや、各警察署の交通課窓口に出向かなければならなかった。新制度では、体の衰えや病気、介護施設に入所中などの理由で、窓口を訪れることが困難な人に限って、代理人による手続きを認める。

 本人の配偶者や子ども、きょうだいら3親等以内の親族、入所する介護施設の職員らが代理人になれる。手続きには、本人の委任状と代理人の誓約書が必要。ともに窓口で受け取れる。県警ホームページでもダウンロードできる。

 窓口では身分証も必要。本人と別居している親族は、戸籍謄本など関係を示す書類、施設の職員は、本人が入所していることと、施設職員であることの証明書類も要る。

 運転経歴証明書は、免許返納者のうち希望者に千円で交付している。身分証として使えるほか、県内の自治体や企業・団体が、高齢ドライバーの事故防止に向けて展開している「高齢免許返納者サポート制度」の支援を受ける際に必要となる。

 新制度では、同証明書の交付も代理申請できるようにした。窓口に行く必要があった受け取りも、交付申請時に切手を貼った返信用封筒を提出すれば、自宅などに郵送するため、手続きを簡略化できる。

 県警運転免許課の岡嵜浩参事は「運転者の自主性を尊重しながら、制度の周知に努めたい」と話している。

 県警によると、県内の免許返納者は毎年増えており、昨年は1737人。そのうち1695人が高齢者だった。免許を所有する高齢運転者が過失の重い「第1当事者」だった交通死亡事故は、2012~16年の5年間で70件あり、全体の3割弱を占める。そのうち65~74歳が27件で、75歳以上は43件だった。

関連記事