就職採用に関する意見交換をする服部泰宏准教授(左)や福井県内の企業担当者ら=1日、福井市の福井大文京キャンパス

 人口減が進み、企業の人材確保が困難になる中、これからの就職採用の在り方を学ぶシンポジウムが1日、福井市の福井大文京キャンパスで開かれた。「採用学」という新しい学問を提唱する、横浜国立大大学院の服部泰宏准教授が、中小企業が実践している新たな採用手法や、企業にとって必要な人材などについて講演した。

 福井県内の4年制大学による地方創生事業に取り組む団体「ふくいCOC+事業推進協議会」が主催。経営者や人事担当者ら約200人が参加した。

 服部准教授は採用に関する新たな動きとして「複数の採用入り口と採用基準」を挙げた。具体例として三幸製菓(本社新潟市)の新卒採用プロセスを紹介。同社は、せんべいへの愛をプレゼンテーションする「おせんべい採用」や、5人以上の学生が集まれば、全国どこでも企業側が出向き面接を行う「出前全員面接会」、10回ほどの面接を受け続ける「わんこ採用」など17種類の採用方式があるとし、それぞれの基準で採用しているとした。

 その上で「採用における自社のポジションを理解し、人気企業と同じ人材を狙うのかどうかを判断すべき。高学歴、誠実、協調性などすべてをみるのでなく、何をみないかという発想も必要」と述べた。

 引き続き服部准教授を交えたパネルディスカッションがあり、県内企業担当者が採用に関する自社の取り組みを披露した。ある担当者は「内定者の半数以上が辞退する年もあったが、インターンシップの充実などで課題を克服した」と述べた。

 別の担当者は「内定を出し、学生も前向きなのに親の反対でだめになるケースがある」と質問。服部准教授は「親の反対は不安からくるもの。この会社を選んだ理由を親に説明できる材料を、担当者は学生に提供してあげるべき。学生にとって『人事担当者は就職を応援してくれる存在』と思われる人間関係を構築することが大事」と答えた。

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