B型肝炎ウイルス感染や肝炎を発症してからの苦悩などを語った「患者講義」=30日、福井県永平寺町の福井大医学部松岡キャンパス

 B型肝炎の当事者にしか分からない苦悩を知ってもらおうと患者本人による「患者講義」が30日、福井県永平寺町の福井大医学部松岡キャンパスで開かれた。北陸地方在住の50代男性患者が「患者の多くは差別や偏見、経済的な苦しみを抱え、さらなる差別を恐れ病気について言えない状況にある。患者に寄り添ってほしい」と医療の道を志す学生に訴えた。

 集団予防接種での注射器使い回しによるB型肝炎ウイルス感染訴訟を起こしている全国B型肝炎訴訟北陸弁護団が、患者の状況を知ってもらおうと、県内で初めて開いた。医学部医学科、看護学科の1年生約170人が受講した。

 男性は18歳のとき、献血時の検査でウイルスキャリアと判明。20歳のころけがで入院したとき、食事をほかの患者と分けて配膳されたり、入浴させてもらえなかったりした経験を紹介し「違和感を覚え、差別だと感じた。B型肝炎で初めて感じたつらさだった」と話した。

 41歳で肝炎を発症。「体が石のように重く、起きるのもつらくなり」入院した。退院後、職場で病気が知れ渡り、接客業だったことから「お客さまを守るための安全安心が不可欠」と退職を余儀なくされた。思うように働けず再就職は困難を極め、妻や子にも負担をかけて離婚することにもなった。

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