大正造りの面影を残す水本学園高等女学校の校舎(左)と住居部分。レストランなどを備えた観光商業施設に生まれ変わる=福井県大野市本町

 大正時代に建てられ、和洋裁を教えた福井県大野市本町の専修学校「水本学園高等女学校」の建物が、地場産の食材を生かした洋風レストランに生まれ変わる。隣接する2店も民泊設備があるビアテラスやオープンテラスに変わり、まちなかに新たな観光商業施設ができる。古き良き外観を生かして改修する計画で、12月のオープンを目指している。

 大野市上打波の鳩ケ湯温泉を経営している精密機械部品製造・加工の豊実精工(本社岐阜県)が元学校、元仕出し店、元和菓子店の3棟で手掛ける。9月に着工する計画で、和と洋を融合した「非日常空間」を提供したいという。

 元学校は1902年、大野郡小山村(当時)の女性が「水本裁縫女学校」として現在の同市日吉町に創設した。05年に改名し17年に現在地へ移築。45年からは創設者の孫が校長を務め、多くの卒業生を輩出した。

 建物は木造2階建てで、校舎と住居棟がL字につながる併設型。大正造りの中に、住居棟の天井が弁柄と黒漆を合わせた塗料で塗られていたり、玄関横に大きな敷台があったりと古式ゆかしき雰囲気が残る。床面積は約634平方メートル。

 レストランは、校舎1階の広々とした講堂に設ける。50~60人が一堂に利用でき、ランチやスイーツ、ドリンクなどを提供する。外国人観光客の増加を見据え、住居棟の和室は大正時代の羽織はかまの試着体験や生け花、茶道といった日本文化に触れられる空間にする。教室や職員室などは現状のまま残す。

 校舎の背面に位置する木造3階建ての元仕出し店は建物の一部を改修して屋上をビアテラスとし、20人ほどが宿泊できる設備を整える。宿泊利用者は国内外のバックパッカーを見込み、低価格で受け入れる。

 校舎隣の元和菓子店は中庭にテラスを設け、コーヒーや自家製クッキーなどを提供する予定。

 豊実精工の今泉由紀雄社長は「外観は城下まち、一歩中に入れば大野にはない非日常を堪能できる空間にしたい。周囲の商店街や店と連携して“点”をつなげ、周遊観光につながれば」と話している。

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